数年前に小松の駅近くのアーケードを歩いていて、
目に飛び込んできた看板があった。
それはUCCの喫茶店用の立体的な看板で、
看板そのものより店の名前のデザインだった。
喫茶、泉。
アーケードからほんの少し昭和40年代という感じの路地を入ると、
その店はあった。
大きなガラス戸があって、
その真ん中の文字がたつやをグッと引き寄せた。
TeeRoom泉
の文字が。
良く見れば見るほど、その泉の文字は
オシャレにデフォルメされていた。
しかも描いてあるのではなく彫り込んであった。
ガラス戸を開けると30年か40年程、
タイムスリップしたかのような喫茶店が現れた。
カウンターには常連さんらしき客がひとり。
新聞を読んでいる。
カウンターの中には、おばあさん(失礼)がいる。
ボックスの席もあったが、たつやはカウンターに座った。
辺りを見渡すと、実に素敵な場所がいくつも見つかる。
カウンター、床、天井、暖炉跡、古い油絵、
壁と一体化したバイクのタンクとヘルメットのオブジェ、
レジスター、コーヒーカップ、マッチ・・・
そのどれをとっても、
ノスタルジックでアーティスティックで
魅力的な存在だった。
しばし圧倒されていたが、思い出したように珈琲を頼んだ。
油絵のことを聞いたのがきっかけになって、
この店自体がすべて亡き旦那さんのセンスで作られたことを知った。
天井に貼ってある変色した新聞は50年前のフランスのモノ。
泉のロゴはもちろん、油絵やオブジェも内装も亡き旦那さんの仕事だった。
残念ながらかなり若いうちにお亡くなりになったらしいが。
しかしその分、そこからその空間は変わることなく、
何十年もの時を過ごした。
そして、数年ぶりに訪れた喫茶・泉は、何ひとつ変わることなく
静かに時を刻んでいた。
今、泉のご主人が生きていたら、
いろんなお話を聞いてみたいと思った。
このデザインを50年近く前に考えた泉さんって、
ホント感性豊かなアーティストだったんだろうなぁ。
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応援クリックいつもありがとうございます。
みなさんの応援がたつやの活力です^^
とっても近所です^^v ってか同じ商店街です。
自宅は同じ町内でして^^
このお店も跡取りさんがいらっしゃらなくて、とても残念です。
奥には蔵があり、そこには旦那さんのコレクションがまだまだあるそうですよ。(入った事はありませんが・・・)
泉は歩いて30秒くらいでしょうか?
お店の前を通ったときに、
ああ、ここが金光堂さんだって思いました。
生憎、水曜日でお休みだったみたいですね。
今度小松に行ったら、ふらりと覗かせていただくかも?
僕も、泉が気になっていて、一度入ったことがあります。小松のアーケード街も、よその地方のアーケード街同様にシャッター通りとなっていますが、それでも頑張っている個性的なお店も何軒かあって、いつか雑誌で特集をと思っています。
加賀日和のファンなんですよ。
印刷やさんの話などは、興味深く読ませていただいていました。
小松はぎりぎり昭和を売りにできる街のひとつだと思います。
行政と街の人が協力して、どこか一画でもいいから、
昭和そのものの街として残したなら、
県外からもお客さんを呼べる商店街になるのでは?
と考えます。
筆は力です!「加賀日和」で特集して、
いい方向にいくことを応援しています。