いつもなら右折するのだが、
なんとなく左に行く道を選んだ。
この辺りは敦賀の高台になっていて、
とても景色の良いエリアだ。
道に沿って降りていくと、
右手に小さな神社とお寺が並んでいるのが見えた。
ちょうど西日が野坂山に沈みかけた頃で、
ふたつの建物は正面から太陽のスポットライトを
浴びているように見えた。
間もなく春分の日を迎えるので、
この神社とお寺は真西を向いているのだろうと
気になって、車を停めた。
こじんまりとした村の神社といった感じだが、
五社神社、ちょっと珍しい名前の神社で、
とてもいい雰囲気のお宮さんだった。
お迎えしてくれる狛犬は、
敦賀では結構見かける一角獣だった。
そのままお寺をちょっと覗いてみることにした。
雰囲気からして真言宗のお寺かも?
お詣りをして、中を覗き込んでいると、
ちょっと気になるものを見つけた。
それはかなり古いと思われる昆布を
刈り取るための鎌。
昆布消費地でもある敦賀と、
刃物を作っていた武生に纏わる
もしかすると貴重な資料かも知れない。
お寺の正面の戸は完全に開いていて、
真ん中には大きな木の柱が置かれていた。
時折見かける梵字が書いてあったり、
お寺の記念行事の文字が書いてあり、
お寺の境内に建てられている木の柱で、
それはまさに新品でこれから建てられるものだ
ということは容易に想像が出来た。
しばらくするとたつやを見かけた
ご住職が隣の建物から出て来られた。
「どうぞどうぞ良かったら中へお入りください」
「ありがとうございます。失礼します」
真言宗のお寺ですか?と尋ねると、
元々はやはり真言宗だったそうで、
後に曹洞宗のお寺になり、今に至るのだそう。
お寺の右手には古い木製の手や足のカタチをしたものが
かけられていた。
若狭にある三方石観音でも見たものと同じだったが、
ここにはあまり残っていないらしい。
ご本尊は十一面千寿観世音菩薩で秘仏。
しかしながら33年に一度だけ御開帳されるとのこと。
ちょっと気になって、次回はいつですか?と聞くと、
こんな答えが返ってきて驚いた。
実は来月5日の予定だったんです。
でもコロナウイルスの関係で秋に延期になったんです。
2回前の御開帳の写真がありました。
66年前です。
まさか33年に一度の御開帳の24日前に、
偶然通りかかったお寺で出会えるなんて・・・。
きっとこれは何かのお導きかもしれない。
秋の御開帳の際には、
秘仏である十一面千寿観世音菩薩さまに
お目にかかりたいと思う。
お寺の奥の左右には畳4枚分ほどの大きな掛け軸が。
ご住職の話によるとこれは明の時代のもので、
大変珍しいものとのこと。
絵と漢字を見てると、
何となく言わんとすることがわかったりするのも興味深い。
長谷寺の山本道興さんは、
いつもこの石の上で座禅をされているとのこと。
たつやも座らせてもらったら、
何と正面は野坂山!
ここだったら悟りも開けるかも^^
アプリで調べてみると、
想像通り、冬至の太陽は野坂山の山頂に沈む。
改めて正面から見るとお寺の後ろにある
小高い山は完全な古墳だと確信した。
この地に住んでいた豪族は、
ちゃんと太陽の動きを見て、
この場所に古墳を作ったのではないだろうか。
お彼岸の一週間前に、
偶然、出会ったお寺。
これはとてもありがたいご仏縁と
感謝しています。
やっぱりたくさんの方にブログを見ていただきたくなりました。
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