気が付いたら泣いていました。
食べ物を食べて、泣いたのは初めてかも知れません。
ずっと何にも食べられなくて、
ようやく何十日ぶりに食べ物を口にしたとき、
きっと涙が流れるのでしょうが、
まさにそんな感じだったのかもしれません。
たつやがこの店は初めてだと言うと、
一緒に行った3人のお友だちは、
たつやをカウンターの一番いい場所に座らせてくれました。
最初、ここへ座るよう言われた時には、
なぜこの席がナンバーワンなのか
意味がわかりませんでした。
そうだったんです。
この席は、この店の大将が
目の前で握ってくれる最高の場所だったのです。
噂には何度も聞いていたお店です。
たつや以外の3人のお友だちは、
常連さんだったり、何度かここを訪れています。
でもたつやは今までご縁がなく、
ようやく念願叶って、この店に行くことが出来たのです。
実は、日本の鮨界でも伝説の職人、森田一夫氏が
ここの板長を務めています。
西の小松弥助・・・とまで言われる
まさに鮨界の最高峰のお店なのです。
たつやたちが訪れたのは、午後2時半からの部。
一緒に連れて行ってくれた方たちから聞いていたのは、
この時間帯だと森田さんはカウンターに立っていないかもしれない・・・
ということでした。
お店に行ってみないとそれはわからなかったのですが、
普通に森田さんが板場にいて、たつやの目の前で握ってくれてて・・・
とにかくたつやは超ラッキーだったということなのです。
というのは、この時間帯では珍しく森田さんが板場にいたこと。
カウンター席が取れたこと。
そして何より全部で20席ある店内で、
たつやが座らせてもらった席がまさに超SSS席、
これ以上ないという席だったのです。
なにが凄いかって、
森田さん自身の鮨に対する姿勢と、
わたしたちお客さんに対する愛だと思いました。
大げさに聞こえるかもしれませんが、
たつやにすれば、
森田さんは本当にお鮨の神さまだと感じました。
イカはあの薄いイカを三枚におろして、
それを今度は縦に切って、手で混ぜます。
右手で鮨桶の中のシャリを取って、
力はまったく入れずにふわっと握るのです。
左手の人差し指と中指を乗せて、
軽くカタチを整えます。
そのシャリの上に混ぜたイカを乗せ、
ほんの少しの塩を上から、パラっと振りかけて、
小松弥助のイカの握りの完成です。
森田さんは、その握りに、
「おいしい」と魔法の言葉を付け加えて、
たつやの左手に乗せてくれます。
もうその一つ一つの動きや、声掛け、
に感激しっ放しでした。
たつやの右隣には、地元から来たという
年配のお母さんと娘さんの二人組でした。
たつやが初めてだと言うと、
お母さんは、少し驚いて、
「でも初めてで、この場所で大将のお鮨を食べられるなんて、
めちゃめちゃついてますね〜」
と言われました。
やっぱり特等席だったんです。
たつやは食べてる以外は、
ず〜っと大将と、
周りにいる3人のお弟子さんたちの動きを見ていました。
一緒に行ったI社長が、
「たつやさん、この次に出てくる鰻の巻物が凄いんです」
鰻!うなぎ!ウナギ!unagi!
たつやがもっとも好きな鰻を、目の前で、
お鮨の神さまが巻いてくれる・・・
もうそれを想像しただけで、
頭がクラクラするくらいでした。
弟子に焼かせたアツアツの鰻を
大将は手に取って、
海苔巻きにしてくれるのですが、
鰻の焼きの温度をいちいち支持しています。
焼きたての鰻なんて、素手で持ったら火傷するはずなのに、
大将は平気なのですね。
小松弥助の海苔は、すべて有明の有名な海苔職人さんが、
この店だけのために作っている特別な海苔なのだそうですが、
その海苔に巻かれたアツアツの鰻とすし飯を、
「はい、どうぞ。おいしい」と言って、
たつやにくれるのでした。
・・・・・・・・
はぁ、もう言葉に出来ません。
劇的に美味しい!
もしかするとこの世で一番美味しい食べ物
と言っても過言ではないかもしれません。
隣のI社長が解説してくれます。
「それとね、ネギトロがまた凄いんです。
大トロの柵を、そのままスライスすれば、
大トロの握りになるのに、それをあえて
細かく包丁で叩いて、ネギトロにするんですよ」
またしてもたつやの目の前の大将が、
弟子が叩いたマグロの大トロを、
海苔巻きにしてくれています。
巻き終わった後に、海苔巻きを縦にして、
その上に更にマグロをトッピングしてくれるのです。
「はい、どうぞ。おいしい」
なんですか!?コレ。
こんなネギトロ食べたことがありません。
お鮨の神さまは、ずっとニコニコしながら、
お客様に声をかけながら、
すべてのお客様のお鮨を握ります。
3人の若いお弟子さんたちの整然とした準備と、
大将を尊敬しているというオーラが出ている弟子との
チームワークがあって、成し得る世界なのだと思いました。
お土産用のちらし寿司・・・見た目の美しさも味も絶品でした♪
この日、たつやはお鮨の神さまを見ました。
年齢は関係ないかもしれませんが、
森田さんは御年88歳。
今も日々、努力、そして研究に余念がありません。
いつまでもお元気で、
またあの涙が出たお鮨を食べさせて欲しいです。
この小松弥助の予約を持っていて、
たつやに声をかけてくださった金沢のYさま、
ご一緒していただいた福井のI社長、Sさん、
こんなに食を通じて感動したことは
ほとんど経験がありません。
心より御礼申し上げます。
一瞬、北陸のブログランキングで3位になりました。
久しぶりの快挙でうれしいです♪
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