それがどこで作られているものかは知らなかったが、
何十年も前から、時折お取り寄せをしていて、
たつやの口にも時々入った。
それはとても美味しかった。
いい香りとしっとりした食感、そしてその絶品の味。
バウムクーヘンと言うお菓子は、
こんな味わいのものだと思っていた。
その後は、そこそこ名の通った菓子店の
バームクーヘンをいただいたり、買ったりしたが、
えっ!?こんな味じゃなかった・・・
あれ!?美味しいとは思えない・・・
たつやが知ってるバウムクーヘンの味じゃないと思った。
たつやの中のバウムクーヘンは
父が取り寄せていたあの味じゃないとダメなのだ。
父が亡くなって数年間は、そのバウムクーヘンが
何処のお店のものかわからないままだった。
ところがインターネットで検索すると、
見覚えのあるイラストや包装紙が見つかり、
その店は東京の学芸大学駅近くにある
マッターホーンというお店ということを知る。
更に調べてみると、マッターホーンの
バウムクーヘンの評価はとても高かった。
父がどうやってこの店を知ったのだろうか、
今更ながら気になった。
そして数年前に初めて、学芸大学駅に降り立ち、
マッターホーンを訪れた。
期待に胸が膨らみ、何年か越しにあの味に逢えると
ドキドキしながら店に入った。
正面に大きなガラスケースがあった。
その中にチョコレートやクッキーやバウムクーヘンが、
右手のショーケースには、たくさんの種類の
色とりどりのショートケーキが並んでいた。
たつやの前に10人ほどのお客さんが並んでいた。
ようやく順番が回ってきて、
バウムクーヘンの棚を見ると、無情にも
『本日のバウムクーヘンは売り切れました』
隣に並んでいるはずのカットバウムクーヘンも
一つもなく、同じように
売り切れの文字が目に飛び込んできた。
さすがにガッカリ・・・。
半分泣きそうなたつやを見た店員さんが、
「申し訳ございません。お時間をいただければ
お送りすることも出来ます。」
と言ってくれたのだ。
本当ですか!?是非、お願いします。
しかしながらたつやの元に到着する日は、
なんと、この日から数えて45日以降だった。
それだけ予約が一杯なのだ。
当たり前だが、マッターホーンは
一日に焼けるバウムクーヘンの数が
限られている。
1本焼くのに数時間かかるらしい。
それにマッターホーンは多店舗展開をせずに、
1952年の創業以来1店舗のみの営業を続けている。
それは製造のクオリティを維持するためらしい。
大人気のバウムクーヘンは、
ほぼ開店と同時に売り切れることが多く、
その後、何度も店頭に出向いたが、
普通に買うことが出来たのは2回だけだった。
以前は電話やFAXでの注文も可能だったが、
今は直接お店に出向いて注文しなければ
購入できないようになった。
父がお取り寄せしていた頃は、
福井からでも注文が出来たのだ。
それでもマッターホーンのバウムクーヘンが食べたい。
あのずっしり重くて、しっとりして
何とも言えない美味しさのバウムクーヘンは
マッターホーンでなくてはならない。
結局、たつやは諦めきれずに、45日後の到着を
待つことにして、宅配伝票を書いて帰った。
このバウムクーヘンが届いた時は、
父の仏前にお供えし、
(時々忘れて先に食べてしまいますが^^:)
その後、家族でいただくことにしている。
たつやにとってマッターホーンの
バウムクーヘンは父との思い出の味。
口に入れる度に父を思い出す。
上京し時間を見つけてはせっせと学芸大まで通い、
マッターホーンで毎回、注文伝票を書いてるたつやを見て、
親父は空の上から笑っているのかな^^
次回、たつやの家にこのバウムクーヘンが届くのは、
3月3日ひな祭りの日の予定です。
今からとても楽しみにしています。
ありがとう!お父さん&マッターホーンさん♫
MATTERHORNマッターホーン
東京都目黒区鷹番3-5-1
03-3716-3311
営業時間:9時〜18時半
定休日:火曜日
やっぱりたくさんの方にブログを見ていただきたくなりました。
再び、北陸のブログランキングに参加します。
応援のポチをよろしくお願いいたします。
こちらをクリックしてくださいませ^^
北陸地方ランキング
記事2917回目