わたしたちは何も知らない〜♪
縦の糸はあなた、横の糸はわたし
織りなす布はいつか誰かを
暖めうるかもしれない♫
中島みゆきの糸の歌詞ですが、
ここへ来てみて、
経糸と横糸で布が出来る様子を
感じることが出来ました。
三国にある『くらしつむぐあとりえ』の
嘉村さんとのご縁があって、
何度かお伺いすることがあります。
お話を聴けば聴くほど、
その工程を見れば見るほど、
その絹織物がいかに素晴らしいかを
知ることが出来ます。
普段、普通に生活していると、
織物がどのように出来ているのか?
また絹織物とはどんなものかさえ、
知らずに過ぎてしまいます。
しかしながら、こうして現場を見せていただくと、
日本でも少なくとも1500年以上前から、
このような工程を経て、
織物が作られてきたということを
否が応でも意識させられます。
こちらで織っている布は、
すべて養蚕家で育てられた玉繭、
しかも希少種である玉小石と呼ばれる
日本原産の蚕で、
通常の繭よりも小さめの繭の糸だけで作られます。
この繭は福井県内の養蚕家さんで作ってもらい、
嘉村さんはその繭を仕入れています。
まず汚れた繭や変形している繭を取り除き、
いい繭だけを鍋で茹でます。
茹でることで繭の糸が紡ぎやすくなります。
熱いお湯の中から繭の糸を引っかけて、
繭数個分の糸を合わせて、丈夫な糸にして、
巻きとって行くのです。
これが基本の絹糸となります。
この絹糸をそのまま使うか、
また色をつけて織機にかけます。
天然の素材を使った草木染で色を付けるのですが、
それは外注するのだそうです。
当たり前のことですが、
経糸は1本1本織機にセットします。
たつやが訪れた時は、
経糸は3色の糸がセットされていました。
美しい黄色と紫色、そしてほんの数本だけが、
赤色の糸です。
織機に座って、今度は経糸に横糸を通します。
木製の船のような形をしたものに
やはり糸がセットされています。
玉小石から作った糸は絡みやすいため、
引っかからないように、
一本一本を手で摘み、調整します。
そしてようやく糸を手前に揃える板を引っ張り、
また横糸を通して、織っていくのです。
一日中織っても、20〜30センチくらいなのだそうです。
たつやにすれば、その工程一つ一つが、
気の遠くなるような手間暇に思えて、
いかにこの絹織物が貴重なものかが、
伝わって来るのです。
嘉村さんは自分がこうして絹織物に
関わらせてもらっていること自体が、
なんだか不思議な感じがすると言います。
それに、先人たちや蚕への畏敬の念をいただいたり、
何も考えずに無心に布を織っている時が、
至福の時間でもあるとおっしゃっていました。
今までに織った布を何枚か見せていただきましたが、
実に品のある美しい織物です。
また触った感じがとても柔らかで、温かいのです。
間違いなく世界で一枚だけ。
どれだけの時間と手間暇がかかっているのかを、
知ってしまったからかもしれませんが、
愛しささえ感じてしまう素晴らしい織物。
くらしつむぐあとりえさんは、普段は見学が不可能ですが、
3月には数日間、一般開放の予定だとのことです。
ご興味のある方は、是非その機会に覗いてみてください。
たつやもその日にはお伺いしたいと思っています。
興味ある人はこの動画を見ると絹織物のことが良くわかります。
やっぱりたくさんの方にブログを見ていただきたくなりました。
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