2020年01月11日

くらしつむぐあとりえ@三国町

なぜ巡り合うのかを
わたしたちは何も知らない〜♪

縦の糸はあなた、横の糸はわたし
織りなす布はいつか誰かを
暖めうるかもしれない♫

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中島みゆきの糸の歌詞ですが、
ここへ来てみて、
経糸と横糸で布が出来る様子を
感じることが出来ました。




三国にある『くらしつむぐあとりえ』の
嘉村さんとのご縁があって、
何度かお伺いすることがあります。
お話を聴けば聴くほど、
その工程を見れば見るほど、
その絹織物がいかに素晴らしいかを
知ることが出来ます。

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普段、普通に生活していると、
織物がどのように出来ているのか?
また絹織物とはどんなものかさえ、
知らずに過ぎてしまいます。
しかしながら、こうして現場を見せていただくと、
日本でも少なくとも1500年以上前から、
このような工程を経て、
織物が作られてきたということを
否が応でも意識させられます。

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こちらで織っている布は、
すべて養蚕家で育てられた玉繭、
しかも希少種である玉小石と呼ばれる
日本原産の蚕で、
通常の繭よりも小さめの繭の糸だけで作られます。

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この繭は福井県内の養蚕家さんで作ってもらい、
嘉村さんはその繭を仕入れています。
まず汚れた繭や変形している繭を取り除き、
いい繭だけを鍋で茹でます。
茹でることで繭の糸が紡ぎやすくなります。
熱いお湯の中から繭の糸を引っかけて、
繭数個分の糸を合わせて、丈夫な糸にして、
巻きとって行くのです。
これが基本の絹糸となります。

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この絹糸をそのまま使うか、
また色をつけて織機にかけます。
天然の素材を使った草木染で色を付けるのですが、
それは外注するのだそうです。

当たり前のことですが、
経糸は1本1本織機にセットします。
たつやが訪れた時は、
経糸は3色の糸がセットされていました。
美しい黄色と紫色、そしてほんの数本だけが、
赤色の糸です。

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織機に座って、今度は経糸に横糸を通します。
木製の船のような形をしたものに
やはり糸がセットされています。
玉小石から作った糸は絡みやすいため、
引っかからないように、
一本一本を手で摘み、調整します。
そしてようやく糸を手前に揃える板を引っ張り、
また横糸を通して、織っていくのです。
一日中織っても、20〜30センチくらいなのだそうです。

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たつやにすれば、その工程一つ一つが、
気の遠くなるような手間暇に思えて、
いかにこの絹織物が貴重なものかが、
伝わって来るのです。

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嘉村さんは自分がこうして絹織物に
関わらせてもらっていること自体が、
なんだか不思議な感じがすると言います。
それに、先人たちや蚕への畏敬の念をいただいたり、
何も考えずに無心に布を織っている時が、
至福の時間でもあるとおっしゃっていました。

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今までに織った布を何枚か見せていただきましたが、
実に品のある美しい織物です。
また触った感じがとても柔らかで、温かいのです。
間違いなく世界で一枚だけ。
どれだけの時間と手間暇がかかっているのかを、
知ってしまったからかもしれませんが、
愛しささえ感じてしまう素晴らしい織物。

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くらしつむぐあとりえさんは、普段は見学が不可能ですが、
3月には数日間、一般開放の予定だとのことです。
ご興味のある方は、是非その機会に覗いてみてください。
たつやもその日にはお伺いしたいと思っています。

興味ある人はこの動画を見ると絹織物のことが良くわかります。











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記事2914回目
posted by たつたつ・たつや at 22:21| Comment(0) | 旅先にて・福井県内編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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