ダム建設を控えて、上池田の集落はなくなってしまった。
この道も数年後にはダムの底に沈んでしまう。
上池田は平成16年7月の福井豪雨の際に、
土砂が流れ込んだ住宅の泥出しのボランティアにも行ったこともあり、
この集落がなくなってしまうのは、とても悲しいと思った。
ちょうど一年前の10月の晴れた日に何となくこの道を走ろうと思い、
クルマで出かけた。
途中の集落にあった神社さえ、鳥居が撤去され、
建物も取り壊しされている(移転してるのかもしれないが)
様子が目に入るのは、とても辛かった。
この村には何百年、何千年と人々が暮らした歴史や文化、
それに自然豊かな山々、美しい風景、河川・・・が
数年後にはダムの底に沈んでしまう。
たつやにはこの地に本当にダムが必要なのかは、
わからないが、岐阜県の徳山村の資料館を思い出して、
胸が痛くなった。
上池田から更に上がっていくと、
左手の日本の名滝百選にも選ばれている龍双ケ滝がある。
ここへはバイクやクルマで何度も来ているが、
この日は敢えて素通りして、山越えをした。
大野市の降りていくと古刹『宝慶寺』がある。
それこそ中学生の頃に、たつやが大好きだった昆虫の先生と一緒に、
この辺りで蜂の採集をしたことがある程度で、
お寺の中に入ったことはなかった。
日曜日だったにも関わらず、お寺を訪れる人はほとんどいない。
宝慶寺は誰でも中に入ることも出来る。
立派な山門を目指して石段を上がっていくと、
左手に牛と犬の石像がある。
これは御開山・寂圓禅師が宝慶寺を開いた際に、
一匹の牛と犬が来て、
禅師の身を外敵なら守ったと言われている。
宝慶寺の中に入ると、一際目立つ大きな木造の十一面観世音菩薩がある。
これは滋賀県向源寺・渡岸寺の十一面観世音菩薩を模して
新しく作られた観音様で、目の前で見ることが出来る。
この観音様を作るのには11年の歳月を要したというから、
いかにこの仕事が大変だったかを知ることが出来る。
撮影の許可もいただいて、360度からじっくり拝見することが出来た。
十一面とはいったいどんなお顔をしているのだろう?
左右から眺めて、最後に一番後ろの顔を見てギョッとした。
笑っているのだ。
でも心の底から笑っている顔ではなく、
むしろ諦めてしまった時のようなちょっと怖い笑顔に思えた。
宝慶寺の新聞を読んでみて、その謎は解けた。
人は幼い頃からの夢を達成しようと努力します。
しかし大半の人は夢破れて、
自分自身を泣き笑いする暴悪大笑面のような側面を抱えながら、
一生を終えるのが現実です。
この十一面観世音菩薩の後頭部にある一面は、
泣き笑いだったのだ。
あらためて、顔の大切さを教えてもらえた気がしました。
宝慶寺は素晴らしいお寺です。
ご興味のある方は是非一度足をお運びください。
宝慶寺
〒912-0434 福井県大野市寶慶寺1-2
0779-65-8833
境内自由
無休
深い杉木立に覆われた曹洞宗の名刹で、
大本山永平寺に次いで日本曹洞第二道場としても知られる。
開山は中国宋時代の高僧・寂円禅師。
今も道元、寂円の心を脈々と受け継ぎ、
雲水が修行に励んでいる。
座禅体験もできる。
やっぱりたくさんの方にブログを見ていただきたくなりました。
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