組合の仕事とは言え、観光も自由行動もない旅は、
苦痛以外ナニモノでもないと思っていて、
前もって、行く国の文化や歴史、言葉、食べ物、観光地などを、
調べることはなかった。



しかしながら旅先で、それをしなかったことをすぐに後悔した。
若い頃なら、それこそ地球の歩き方を片っ端から読んで、
少なくとも、その国の言葉で挨拶するくらいは覚えたはずだ。
これが一人旅ともなれば、まったく違う準備をしていたとは思うが、
これは旅先で出会った人たちに対して失礼なことだった・・・。




たつやが所属している組合で、今回副理事長になったこともあって、
はじめてベトナムとカンボジアに視察を兼ねて、
いくつかの会社を回ることとなった。
組合では外国人研修生受入事業をしていて、
今までは中国人研修生に頼っていたが、
円安の影響や、中国での給料が上がったこともあって、
だんだん日本へ行く人たちがいなくなってきた。



そこで他のアジアの国からの研修生を受け入れなければ、
労働力不足の日本の中小企業はやっていけないという現状なのだ。
ベトナムでは二つの研修生送り出し機関の会社を訪問した。
驚いたのは、徹底された日本語教育と、
日本での生活習慣などを教えるシステムだ。
半年間に及ぶ寮生活の中で、
何か問題のある人は途中で何人も辞めさせられる。
日本語もある程度のレベルに届かないと、
日本へ出すことはないのだそうだ。



ちょうど日本語を勉強している教室を訪ねたが、
若い人たちのエネルギーをひしひしと感じる。
皆が笑顔で、目をキラキラさせながら、こちらを見ているのだ。
日本語でちょっとした質問をしてみると、
片言ながら、ちゃんと答えが返ってくる。
彼らにとって、日本は憧れの地なのかもしれない。
日本で3年間働けば、ものすごい大金を持って帰ることが出来るからだ。


今後、ベトナムへはまた行くことがあるだろう。
仕事にしても、プライベートにしても、
ちゃんとベトナムのことを勉強し、
挨拶くらいはベトナム語で話し、
カメラ片手に、ひとりで町ブラがしてみたい。


団体行動とは言え、ほんのちょっとの時間をもらって、
町の写真を少しばかり撮ってみた。
町の中を溢れるバイクたち。
近代と過去が入り混じる町。
雑踏の中の笑顔たち。
若いエネルギーが満ち満ちている。





やっぱり知らない町を訪ねる楽しみは、
日本でも外国でも変わらない。
一期一会だと思っていた旅先の人たちも、
インターネットが普及した今では、
SNSを通して交流が続いたりして、
一期数会になっているのかもしれない。
また良かったら応援してくださいね。

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ラベル:ベトナム