2007年05月04日

旧農商務省獣類検疫所神戸支所敦賀出張所

敦賀半島を湾に沿って北上すると、
左手に水色の古い洋風建築が建っている。
これが旧農商務省獣類検疫所神戸支所敦賀出張所
大正五年に建てられたものだ。

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右手は敦賀湾、建物の後ろは広いオートキャンプ場となっていて
GWや夏休みのシーズンにはその管理棟として使用される。

但し老築化がかなり進んでいて屋根の一部が落ちかけている。
現在は東京に本社がある民間企業の所有となっている。

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たつやが立ち寄った時は、ちょうどGWだったこともあって、
管理をされている戸代澤さんという方に
お会いすることが出来た。
しかもご親切に、内部を案内して下さったり、
建物の歴史について話を聞かせていただいた。

大正時代から戦前にかけては、
朝鮮半島からたくさんの肉牛がこの港に陸揚げされた。
その牛の検疫をしたのがこの建物
一階には事務室らしき部屋や獣医さんの部屋が、
二階には大きな会議室が残されている。

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二階に上がる階段の手摺やギボシにも、彫刻がなされ、
二階会議室天井中央の照明の土台には
見事な漆喰の装飾が残されている。
天井の四隅にはやはり組木の装飾がなされ、
当時の建築のセンスや技術を垣間見ることが出来る。

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しかしながら外から見て屋根の損傷がわかるように、
内部の天井も、歪んで落ちかけてきている。

今までにも幾度となく保存の話が出たことがあるらしいが
敦賀市としては保存の意思がないらしい。
予算がないことがその主な理由とのことだが…。

一民間企業としては、保存は難しいらしく、
このまま朽ち果てるか、取り壊しになることになるのだろうか。

建物の図面を含めて、調査は終わっているので、
行政としてはひとつのピリオドを打った
という認識なのだろうか。

壊すことは簡単だ。
だけど福井県内でも裕福な行政区域なのだから、
予算のやりくりをして保存の方向に進んでもらいたい
と願うのはたつやだけではないはず。

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大正時代に作られた桟橋。
ここからトンネルを潜って行くと旧検疫所の建物となる。

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今はのんびり釣りを楽しむ人しかいない。

しばし桟橋に佇んでみると、
当時の風景が目の前に浮かんできて、すぐに消えた。


旧農商務省獣類検疫所神戸支所敦賀出張所
(現オートキャンプ場管理棟)
福井県敦賀市縄間(のうま)
posted by たつたつ・たつや at 23:55| Comment(4) | TrackBack(0) | 旅先にて・福井県内編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ほんとうに残念なことですね。
仕方の無いことなのでしょうけど、
この建物がこの姿で在る間に、最後に大きな華を。
Posted by ロンド at 2007年05月06日 13:04
この建物が存在する場所は、敦賀市です。
敦賀といえば、原子力発電所が数箇所あり、
財政的には、きっと他の行政よりも裕福のはずです。

そんなに大きくない予算でできるはず。

そして有効に利用すれば、長い目で見れば、
敦賀の観光として光り輝くと思うのです。
Posted by たつや at 2007年05月06日 19:18
このブログで紹介されている「旧森田銀行」を思い出しました。
壊すなんてもったいないですよね。
ココも是非、見学したいですね。
Posted by つかさ at 2007年05月06日 22:16
壊す予定は今のところないでしょうが、
このままだと間違いなく近い将来屋根が落下するでしょうね。

その前になんとか応急措置を取って欲しいです。

これはやっぱり行政が動かないと・・・
Posted by たつや at 2007年05月07日 19:08
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