越前和紙の産地今立で紙漉きをされている人間国宝の岩野市兵衛さんです。
岩野さんをご存知の人は何人も知っていましたが、
さすがに簡単に紹介してくださいとは言うこと出来ずに、
長い年月が経ってしまいました。
ところが先日、京都在住の染色作家の玉村咏さんの個展に行った時に、
その人間国宝の岩野市兵衛さんがゲストで来られて、
トークをされるということを聞いて、再度出かけて行きました。
勿論、席は一番前です。
この席からなら、岩野さんが間近です。
この日は岩野さんと『ふくい南青山291』の井上館長との
対談形式でのトークという話でしたが、
最初に井上館長がお話をされて、後半に岩野さんがお話をされました。
たつやの左斜め前2mほどのところの岩野さんがいらっしゃいます。
穏やかで優しくていつも微笑んでいらっしゃる岩野さんは、
もう見ている(失礼な表現でしたらお許しください)だけでこちらが幸せになります。
放つオーラが優しさに満ち溢れているような方でした。
ご本人は人間国宝だとか先生と言われるのは大嫌いらしく、
ただ自分はずっと先代、先々代と同じことをやってきただけです
と謙遜されていました。
こういうトークなどへもあまり行きたくないのが本音だけど、
越前和紙や日本全体の和紙のこととかを考えると、
それもお役目と思って、出かけるようにしているとのことでした。
岩野さんのお話が終わった時に、井上館長から岩野さんへ
こんな粋なリクエストがありました。
それは紙漉き歌をこの場で歌って欲しいというものでした。
それでは、越前紙漉き歌、歌わせていただきます。
♪五箇に 生まれ〜て 紙漉き習ろて〜♪
もう岩野さんがお歌いになるからかわかりませんが、
何故かポロポロと涙が流れてきました。
本当に心に沁みてくる歌でした。
何百年も前から歌われているであろう紙漉き歌は、
どこか懐かしくて、ちょっぴり切なくて、
心が温かくなって、幸せな気持ちにさせてくれました。
会場には何人か知っている人の顔も見えたのですが、
その中にフルートミュージシャンの高橋佳奈子さんがいました。
そのカナさんが、トーク終了後にフルートを持って登場したのです。
そして演奏した曲は『HAPPY BIRTHDAY』をアレンジしたものでした。
何とこの日は岩野市兵衛さんの80歳のお誕生日前日だったのです。
岩野さんはカナさんの演奏にじっと耳を傾けて、
柔和な表情がさらに穏やかになられていました。
演奏が終わるとカナさんに拍手を送られます。
その後、玉村咏さんから岩野さんが漉いた紙を使った
世界でひとつだけのバッグが誕生日プレゼントとして渡されました。
帰り際に岩野さんにご挨拶をさせていただきました。
岩野さん自らが漉いた越前和紙の名刺をいただき、
とても感激しました。
人間国宝 岩野市兵衛さんは、本当に素敵な方でした。
いつか機会があれば、今立の仕事場に一度でいいから
見学に行かせてもらえたら・・・と願っています。
カナさんのフルートには越前漆器で漆が施されています。
北陸一を目指して、再チャンレジです!
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