なかなか叶わなかったお店があった。
昨年の秋頃から、いろんな方が福井市郊外に
オシャレなそばやさんが出来たと話を聞かせてもらっていた。
そして先日、ようやくそのお店に行くことが出来た。
新規の店に行く時は、やっぱりドキドキする。
どんな店構えなのか?どんな方がそばを打っているのか?
どんな味わいなのか?
そのお店の名前は十九と書いてとくと読むらしい。
たどり着いたのは福井市郊外の閑静な住宅地だ。
目の前の公園脇に「そば」のノボリが無ければ、
そのまま行き過ぎてしまいそうだ。
噂通り立派な店構えで、玄関口に掛けてある暖簾がまたいい感じだ。
目立たないように、一眼レフカメラを小脇に抱えて、十九に入った。
想像以上に広い店内は、天井が吹き抜けになっていて、
空間としても実にゆったりしていた。
お昼時を過ぎていたので、一番奥の席に座わろうとすると、
後ろから「あ、たつやさんいらっしゃいませ」と声を掛けられた。
えっ?と後を振り向くと、若い店主が立っていた。
顔は覚えていたが、どこでお会いしたのだろう?と思う間も無く、
「下馬のお清水庵遊福でそばを打ってました」と言ってくれた。
あぁ、あの時に会った人なんだ。
だとすればあの頃、彼にそば打ちを教えていたのは
たつやの大好きだった今は亡き、Kさんだったはず・・・。
「Kさん、残念だったね」と言うと、
彼は「えっ?どうしたんですか?」と聞いてきたので、
昨年の春に亡くなったことを告げた。
十九のオープニングにはKさんに来て欲しくて、何度か連絡していたそうだ。
Kさんは10年程前に旧清水町で「八平」というそば屋をやっていた。
たつやはKさんとKさんが打つ絶品のそばに惚れ込んで、
週に3回は通っていた。
Kさんはいつかまたそば店を開店して、
美味しいそばを提供してくれると約束していたが、叶わぬ夢となってしまった。
ということは、十九はKさんのお弟子さんということになるのだ。
もうKさんのおそばは食べられないが、思いがけずお弟子さんのそばが食べられるのだ。
もうそれだけでたつやはうれしくなってしまった。
メニューの中からおとくなランチセット1000円をお願いしてみた。
これは「おろしそば・かけそば・ざるそば」の中からひとつと、
「ソースカツ丼・エビ天丼・おじゃこご飯・ミニ天ぷら(+100円)」の中からひとつ、
それに大根サラダとお漬物が付いてくるという嬉しいランチだ。
組み合わせはというと、3種×4種なので12種類。
毎日食べても、2週間かかる。
たつやは迷うことなくおろしそばをチョイスしたが、
珍しくご飯系で迷ってしまった。
結局、軽めのおじゃこご飯に決めた。
それにしても何とセンスのあるお店なのだろう?
壁には和紙を漆で塗った板状のものが飾られ、
ガラス戸には、兎や越前水仙がエッチングされていたり、
天井には絵が描かれていたりするのだ。
しばらくして運ばれてきたランチセット。
美しく旨いそばだ。
Kさんが打っていた太麺を彷彿させた。
腰の強い力強い麺に仕上がっている。
十九のそばは、外一と呼ばれるそば粉10に対して、
つなぎを1使って打たれている。
おじゃこご飯には、昆布と漬けものを乗せていただく。
十九のランチは蕎麦もご飯も両方味わえて満足・満腹でした。
男性トイレにトイレの神様が描かれていたことに感激した旨を
お店の奥さんに伝えると、
「是非、女子トイレも見て下さい」と言われ案内してくれた。
また一軒、福井でそばの名店の予感です。
十九 (とく)
福井県福井市二の宮3-23-20
0776-50-2319
営業時間 11:30〜15:00 / 17:30〜20:00
定休日:火曜日
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八さんとこでは沢山お蕎麦食べ、よくお酒も御馳走になったりして。お店を閉められてからはお会いすることもなく。亡くなられたのですか。もう一度あの蕎麦食べたかったし、一緒に呑みたかった。
十九さん、また近いうちに寄ってみます。
そうなんです・・・。
葛西さんが亡くなったことはホントに今でも信じられません。
あの美味しく美しく洗練されたあのおそばは本当に秀逸でした。
それにあの誰からも愛される楽しいキャラ、私も大好きでした。
十九さん、私も再訪したいと思っています。