時折、無性に美味しいうなぎが食べたくなって、ちょっと遠出をする癖がある。
というか、ただ旅したいだけなのかもしれないが。
足助の町を訪問するのは二度目。
中仙道の宿場町。
歩いて回るにはちょうどいいくらいの大きさの町だ。
いつものようにたつやが好きな風景の写真を撮っていた。
冬の旅先は暗くなる時間が早いので、そろそろ町歩きを終えようかと思っていた時だった。
ギャラリーという小さな看板に目が止まった。
裏口の方からそのおうちに入っていくと、おばあちゃんが出てきて、
店を開けるから表に回って欲しいと言った。
訳もわからずふ言われるがままに表側に回ると、古い立派な町屋があって
今は何やらちょっとしたお土産や家族が作った焼き物などを売っているような店だった。
折角開けてもらったのだから、何かしら買おうと辺りを見渡すと、
一枚の美しい絵があった。
たつやがその絵を見ていることに気が付いたおばあさんは、
「それ、わたしが娘の頃に作ったんや」と言った。
え?これ作ったの?
よく見ると、それは絹糸の刺繍だった。
おばあちゃんが子どもの頃だとすればかなりの年月が経っているはずなのに、
それはつい最近出来たものと言っても過言ではないほど輝いていた。
おばあちゃんは、ちょっと待っててとたつやに言うと、また裏の家に戻った。
しばらくして店に戻ってくるとおばあちゃんの手には古いアルバムが2冊あった。
(私のこと)いくつやと思う?
聞いて驚いた!大正10年生まれ@@;
ということは90歳を既に超えているのだ。
えええ!?そんな風には絶対思えない。
いつもニコニコしているおばあちゃんで、
なんだかとっても親しみを持ってしまった。
おばあちゃんはアルバムを一枚一枚めくり、たつやに説明してくれる。
80年も前の写真が何枚もきちんと保存されていることにも驚いたし、
写真の状態も極めていい。
当時の学校の様子を知るにも貴重な写真たちだと思った。
それにしてもよく覚えていらっしゃる。
気が付くと外は真っ暗。
何か買わなくっちゃと、携帯ストラップを買うと、
これも持って行って!とおばあちゃん手作りの布で作ったフクロウを持たせてくれた。
お礼を言って店を出る時に、おばあちゃんはたつやにこう言ってくれた。
何でも笑顔でえにゃあかんよ〜
旅先で出会う方というのは一期一会だと思っているが、
このおばあちゃんにはまた会いに行きたいなぁ。
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