それは信州の旅で、蕎麦屋と寿司屋と古民家に関しては
右に出る人がいないと思われるAさんが自信を持って薦めてくれた蕎麦屋だった。
ここはね、ちょっと凄いんですよ!
絶対にたつやさんに食べてもらいたいんです。
そこまでおっしゃるのだから、期待値はグングン上がった。
Aさんの別荘から、そのお勧めのお蕎麦屋さんまでは、45分程の距離で、
お盆休み時期ということも考えて、10時半頃に出発した。
案の定、国道は車が多くて、区間に寄っては渋滞が発生している。
道に詳しいAさんはハンドルを右に切ると、赤倉方面に向かい、
ワインディングロードを楽しむかのように軽快に運転を楽しんでいる。
さて場所は県を跨いで新潟県妙高市に入った。
市街地から少し郊外へ向かうと、右手に小奇麗なお店あって、
そこに車を停めた。
どうやらここがAさん一押しのお蕎麦屋さんらしい。
名前は『こそば亭』
中に入ると開店して間もない時間だが、既にお客さんで一杯で、
たつやたちが席に着いた段階で満席となるというタイミングだった。
ふと座った後ろを見ると、ツナギに使っているオヤマボグチという山菜の乾燥したものと、
この店で使っている蕎麦の実(こそば)と、従来の蕎麦の実のサンプルが並んでいた。
ということは、原材料そのものが違うということで、
他の蕎麦屋さんとは、一線を画すそばということになる。
果たしてこそばとはいったいどういう蕎麦なのだろうか?
メニューに書いてある説明書きを読んでみるとこんなことが書かれていた。
『こそば亭』でお出しする蕎麦は、昔から妙高山麓で栽培され続けてきた「こそば」。
妙高山麓だけに、わずかに残る貴重なソバなのです。
昭和30年代には、まだ全国で、これに類似したソバはたくさん栽培されていたのですが、
その後、品種改良されたソバにとってかわられ、
今ではほとんど絶滅に近い状態になってしまいました・・・
こそば亭』では、自然の風で、ていねいに乾燥し、石臼をゆっくり回して製粉します。
そこに、この地方の里山に自生する「オヤマボクチ」という植物の繊維を、
わずかに入れて手打ちします。
こうすると、おいしい味はそのままに、食感だけをコントロールできるのです。
これが妙高山麓の、伝統的な食文化です。
こそば亭の「ざるそば」の味は、豊かな自然に守られてきた、
昔ながらの本当のそばのおいしさなのです。
Aさんおすすめの「妙高ゆき海老天ざるそば」1400円の大盛り1700円
を注文した。
そしてついに「こそば」で打ったそばが運ばれて来た。
まずは麺だけを一口。
こ、これは素晴らしい!
おお!香りがいいだけでなく甘い!それに食感が心地よい。
冷たい信州の水で締められた蕎麦が夏の暑さを和らげてくれる。
次に天ぷら用に添えられていた塩をちょっと麺にまぶしていただく。
更にそばの甘味を感じることが出来、
続いてワサビを麺に乗せ、いただく。
ツユはやや濃い目の味なので、蕎麦は1/3ほどつけて
ズズズ〜っと啜るともう口の中に幸せが溢れて来た。
最後の一口は、最近そば友がやっていた新しい食べ方を思い出して、
ツユに熱い蕎麦湯を足して、そこに蕎麦を入れていただいた。
これがまた美味しくて、別のそばをいただいている感覚さえ覚えた。
ゆきエビの天ぷらも絶品!
たつやは塩で一匹、麺つゆをかけて一匹いただいたが、
尻尾の先まで美味しく食べること出来た。
これで〆て1700円。
これは通常ならば高価だと思うが、
この「こそば」を栽培から手掛け、こそばとオヤマボクチだけで打った
繊細で貴重な蕎麦であることを考えると決して高価ではなく、
むしろ良心的な価格と言っていいかもしれない。
再訪を誓ったのはいうまでもない。
久しぶりに感激したおそばだった。
こそば亭
新潟県妙高市美守(大字)681-1
0255-72-8628
営業:11:30〜14:00
※そばが終わり次第、営業終了
定休日:月・火曜日
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2060記事目
相変わらず激務なのですか?
こそば亭はあの『Z-COBO』以来、感激のおそばでした^^
「ホントに蕎麦が好きなんだろうな」というのが分かるリポートでした(^^)
文章を読みながら写真を見て、もう今すぐ蕎麦を食べたくなった!(笑)
1つのメニューで様々な味が楽しめるようですね。まるで、「蕎麦界のひつまぶし」です。
1700円。
この値段は確かに尻込みしてしまいますが、そこまでおっしゃるなら私も是非試してみたいと思いました。
蕎麦好きが大絶賛する蕎麦、食べる機会が来るのが楽しみです。
妙高はちょっと遠いですけどね(^^;
想像を超える味に出会った時は、
その驚きと嬉しさにこんな風になっちゃいます。
妙高までの距離を差し引いても余りある美味しさだと思いますよ。