2006年11月10日

大福の思い出

上の娘が生まれた頃、今立の大福の硬くて太くて、幅広い薄茶色の麺と
ほんのり辛い大根おろしにすっきりした鰹のだしに魅せられ、
娘をクーハン(籘であんだ籠のようなもの)に入れ、毎週のように通った。


img048.jpg

大盛りは丼に入っていて、器からこぼれんばかり。
僕は必ず大盛り2杯を食べた。

おんちゃん、とはすぐに仲良しになった。
大福は店の奥が普通の家の座敷になっていて、そこで常連さんは食べていた。
座敷から中庭に沿って縁側を行くと奥に離れがあって、
おんちゃんは、ここでそばを打っていた。

店先で「おんちゃんは?」と聞くと「奥でそば打ってるわ」
自分のじいちゃんみたいな感じで離れへ行ったりした。
おんちゃんは、少し耳が遠く、後ろで声をかけるときでも、
結構大きな声を出さなくてはいけない。
「コ・ン・ニ・チ・ワ!」
振り返ったおんちゃんは人なつっこい笑顔を見せる。

「いい天気やのー、そろそろゼンマイの季節やね」

「なんや、若いのにほんな趣味があんなさるんの?」

「今度の休み、一緒にいこさっ!」

次の休みには一緒に山菜を採りに行った。

時には座敷の横に座って、おんちゃんが若かった時の話を聞いた。
座敷と厨房の間にあった小窓を通して会話したこともあった。

あるとき鯖江に公演に来た俳優の加藤猛さんを大福に案内したこともあった。
その時写した加藤猛と緊張気味のおんちゃんの写真はいい思い出だ。

うまいのー!大福のそばは最高やの!

そう言う僕の顔をうれしそうに、それでいて
少し恥ずかしそうに見ていたおんちゃんはもういない。

でも僕がそばの本を出版することができたのも、
大福のおんちゃんがいたから。

最初に出来た本を一冊持って、おんちゃんの仏壇に供えた。


img047.jpg

おんちゃん、ありがとう。

sobahon1.jpg

たつやの会社が創立100周年の記念事業として
企画・出版した「萬福そば天国ふくい」グッド(上向き矢印)

sobahon2.jpg

そばに関する書籍は、当社で印刷させていただいたものも多い。バッド(下向き矢印)

sobahon3.jpg

印刷・出版のご相談、承っております

メールにてお問い合わせくださいませ。


posted by たつたつ・たつや at 21:06| Comment(3) | TrackBack(0) | 麺グルメ・そば編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
たつや様
初めまして。みゅーじんと言います。
甥っ子と同じ名前で気になり・・・毎日は拝見させてもらってます。
実に楽しい内容です。

縁は異なもの味なもの?たつやさんは沢山の人と縁があるようですね。
これからも楽しんでブログ書いて下さい。楽しみにしています(笑)
Posted by みゅーじん at 2006年11月11日 00:03
楽しいブログなので、勝手ながら私のHPで紹介させて頂きました。すみません(汗)
Posted by みゅーじん at 2006年11月11日 00:07
甥っ子のたつやです^^;

ご訪問、それにコメントありがとうございます。

ネットって不思議ですよね。
いろんな検索をかけてここにたどり着いたり、
また逆に全く縁のなかった人のブログに行き着くこともあります。

ここももしかすると200万分の1の確率なんでしょうか?

これからもよろしくです^^

みゅーじんさんのフレンチトーストのブログ
いい感じ♪たつやも食べてみたいな〜
Posted by たつや at 2006年11月11日 07:45
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。