足の悪い親父さんで骨董屋に有りがちな怪しい雰囲気はまったくなく、
人の良さそうな店主だった。
当時、たつやは時折覗いては昭和の駄菓子やモノや
柱時計などを探し出してきて値切って買っていたが、
ある日その親父さんから電話がかかってきた。
見て欲しい時計があると言う。
持ってきたのはその日の市で買ったという
金色の腕時計、SEIKOの最高峰ブランドのGRAND SEIKOだった。
「これ、さっき〇万で買ったけど、◎万で買わんか?」
その金額は親父さんが市で買った金額に、
わずか一万円をプラスした金額でどうかと言った。
普段は絶対に買わないか?などとは言わない親父は続けてこう言った。
「これはたつやさんのカケや。この値段は普通のGRAND SEIKOの値段や、
ほやけど僕はちょっと重いと思うんや。もしかすると金側かもしれん。」
確かに親父さんが言う金額は安かった。
それに手にとってみるとそれはずっしりした感触だった。
「もらうわ」
親父さんはにやりと笑って、時計を開けてみようと言った。
工具を出してきて裏蓋を開けてみた。
0.750 それは紛れもなく18金のGRAND SEIKOだった。
金側とすればあまりにも安かったので、少し追い金をすると言うと、
親父さんは首を横に振って、
「さすがやの、カケに勝ったの」
といってお金を受取ろうとしなかった。
あのビーナスもあの親父さんも今はなくなってしまったが、
その時計は思い出と共に、今でも大切にしまってある。
実はたつや、毎日短くて1時間、最近は2時間かけてブログを書いているんです。
だからお願い!って言う訳じゃないんですが、
応援クリックは面倒だけど多分2〜3秒くらいで出来ると思うんです。
ご苦労さ〜んって感じで押してもらえたらやっぱ、うれしいです。
いつもありがとうございます。
アナタ様の応援クリックがたつやのエネルギー源なんです
ココをちょちょっとクリックしてね(は〜と)
1888記事目
学生の頃の怪しいバイト(トンネル事故のやつ)のエピソードもとても印象に残ってます。
たつやさんのブログは素敵な写真に目が行きがちですが,こういうのを読むと文才もあるんだなあと思っちゃいます(ちょっと褒めすぎですか?ww)
本人にしかない思い出を共有させてくれたり。
多分、読んでいる時は勝手に自分に置き換えてしまいますw
遠い記憶ですが、「ビーナス」の看板を見た記憶が薄らとありますが、場所が思い出せません。。
たつやの中にはたくさんの過去があります。
この年齢になると未来よりも過去のことが増えてきます。
抵抗する訳じゃないけど、あまり前のことは今は書かないようにしています。
そのうち過去のことしか書けない様になるかもしれませんが、
その時まで、楽しみに待っててね♪
そのうちエッセイなんか書いてみたいかも^^;
ちょっと北の方にありました。
繊維工場の跡地みたいな感じの古く大きな木造倉庫みたいな感じでした。
何処に何があるかわからないようなところで、
それこそ掘り出し物を見つける楽しみがありました。
あの田原真知が取材に来たこともあったんですよ。