2006年06月22日

三国・旧森田銀行その2

明治から昭和の初期に建てられた洋風建築は、
100年近く経つこともあって、老築化が理由で取り壊されるものも多い。

かの有名なメレル・ヴォーリズの設計した滋賀県の豊郷小学校も、
取り壊しが決定し、それを阻止する住民が
町長のリコール運動にまで発展したことは記憶に新しい。

また近江八幡市のヴォーリズ記念病院のサナトリウム「ツッカーハウス」
さえも、取り壊し問題が浮上している。
このどちらの建物も見学に行ったことがあるが、
計算されつくしたデザインと、細部にまで渡るこだわり、
内装の機能美、どれをとっても今の建築物より魅力的に映る。
たつやにとっては・・・だが。

今回の旧森田銀行も福井銀行に移行し、営業店として使われていたが
やはり老築化が原因で、取り壊しが決定した。
しかし、町の人たちが保存を呼びかけ、行政をも動かし、
直接、福井銀行の頭取にまで陳情に行ったという。

もし、その時に取り壊されていたなら、三国はおろか福井県、日本の
大きな損失だったと思う。

こんな素晴らしい建物を保存し、修復し、公開、
しかも無料というのは地元の誇りだし、
また保存運動をされた方々に感謝したいと思う。

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2階の会議室から吹き抜けを撮った

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照明ひとつ取っても、美術工芸品!

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暖炉・大理石と鉄のオブジェ?マーク?彫刻がアールデコの世界だ

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暖炉上の鏡。

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カーテンを付けるのに、この豪華さ、まるでヨーロッパのホテルのよう。

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壁に施された象嵌。絵ではなく種類の違う木材をはめ込んで作る。

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組み木で作られた床!これ床なんです!

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屋上にある左右対称のシンボル

いつしか、小さくていいから、こんな家を建ててみたいなぁ・・・
三国に行くと必ず新しい発見と感動がある。
しばらくの間、通ってしまいそうだ。








posted by たつたつ・たつや at 21:50| Comment(4) | TrackBack(0) | 旅先にて・福井県内編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
古い建物を取り壊すって、日本では当たり前にしてますね。以前行ったロンドンでは古い物ばかりで異国にいながら懐かしさを感じたものでした。やはり気候的に保存が難しいのかしら・・・。
石川県の「白雲楼ホテル」も取り壊し中です。
悲しいかなウチの新婚旅行先でした。サミシイ
旧森田銀行も末永く保存していってほしいものです。
Posted by ユパ at 2006年06月23日 08:20
古い建物は、常に人の手が入って維持できるんやっての〜〜うらの家も築80年過ぎた家やでいろいろ大変やわの。先週氣の調整に行ったKちゃんの家も古くて立派やもんの〜〜梁とか柱とかほれぼれするわ。ほんでも個人の持ち物やと大変やわ〜〜
しかっし三国は魅力的な町やの〜〜海があり歴史があり、新しいオシャレなお店ありで、ついでにヨットに乗れるし(*^^)v

いっそ、三国に住みたいけど・・・うらは長男やで、うちの古い家を維持していかなあかんしな〜〜
たっつあん!!三国にみんなで集まれる別荘作ってや〜〜
Posted by ささき春喜 at 2006年06月23日 09:39
白雲楼ホテルですか。
たつやは知りませんでしたが、ネットで調べたら
解体の様子が写真で見れました。
解体はあっという間、歴史も思い出も関係者の思いも、
跡形もなく無くしてしまいますね。
新婚旅行先のホテルがなくなって寂しい気持ちがわかります。

古いものを全部残すなんて不可能ですが、
もし昭和30年代のままの商店街なんかがそのまま
残っていたりすれば、日本全国から観光客が
集まってくるのではないでしょうか。

古いものを今のまちづくりに活用できる地域になりたいですね。
Posted by たつや at 2006年06月23日 19:39
時間が持つエネルギーは、すごいですよね。
どんなにうまく作っても時代を経てきたものには
絶対に追いつかない何かがあります。
古い家を維持していくのは大変でしょうが、
大切にしていきたいもんですね。

もし解体したり改築するにしても、古い建材は
丈夫だし、
今探してもこんな木はない、というものも多いと思います。
再利用して、大切にする心が必要なんだと思います。

三国に中古の安い住宅があったら、買って、
みんなで改装して、泊まれるようにしたいです。
というか、します!
Posted by たつや at 2006年06月23日 19:45
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