2月21日月曜日、日刊県民福井の6面に『ふくい老舗物語』
というシリーズもので、弊社「合資会社藤田印刷所」が掲載されました。
これは今までは和菓子店や醸造関係の会社が掲載されて来て、
今回印刷業としては、初めて紹介されました。
弊社は初代藤田平治が1903年(明治36年)に
親戚から印刷機を譲り受けて、創業しました。
以来、明治、大正、昭和、平成と108年間生きてきました。
2代目藤田平治(祖父)3代目藤田武司(父)
そしてたつやが4代目です。
なのでたつやが生まれた家=印刷工場でした。
古民家のような建物の一部で印刷機が回り、
一の蔵では紙折機がけたたましい音を立てていて、
二の蔵、三の蔵では活版機や活字棚、
活字を組む版作りをしていました。
ご飯はノリを貼る祖母が、
薬袋を片付けて、ちゃぶ台をセットして始まります。
プライベートなんてまったくなくて、
生活空間がそのまま印刷工場なのです。
今でも活版印刷機の音や、紙折り機の音を聞くと、
会社が動いている感じがして、
どこかしらホッとするのは、その頃の思い出なのでしょう。
さて、新聞上ではこんな表現をしてくださいました。
福井を代表する印刷会社のひとつで、創業から108年の歴史を誇る。
福井地震や空襲の被害を免れた文化財級の印刷機が今も残り、
一部が現役として稼動している・・・
勿論、今はオフセット印刷機やオンデマンド印刷機が主流で、
弊社でも印刷のデジタル化が進んでいますが、
一方では、もう他の印刷会社さんではやめてしまった
活版印刷機が稼動しています。
今は活字を売っているところがなくなってしまったので、
印刷をすることはほとんどなくなってしまいましたが、
主にミシン加工や折り目加工、ナンバリングなどをしています。
上:計数機(メタル製です) 下:電源スイッチ
ドイツ製ハイデルベルグ社の通称シリンダーという活版印刷機です。
弊社に導入されたのは昭和35年、1960年で当時3.600.000円だったそうです。
今のお金に直すと、いったいどれくらいなのかちょっとわかりませんが、
ものすごく高価であったことは間違いありません。
しかしながら50年間故障することもなく、
現役バリバリであることを思えば高い買い物ではなかったのでしょう。
この機械が稼いでくれた金額は億の単位だと思います。
上:紙を吸い付ける吸盤です。
下:2枚送り防止センサー(完全アナログで紙の厚さを調整します)
しかし、この機械を扱っていた職人さんが昨年74歳で現役を引退されて、
この印刷機を動かせる人がいなくなってしまいました。
そのままカザリモノにするには、あまりにも忍びなく思って、
引退された方に教えてもらって、
たつやがこの機械を動かしてみようと思っています。
活版はまさに職人の世界です。
コンピュータ時代の今では効率で言えばものすごく悪いのですが、
この機械でしか出来ないこともいろいろあって、
需要は少なからずあるのです。
上:活字の棚が一部残っています。
下:母型(活字の元となる型)一時期活字も鋳造していました。
たつやが生まれた頃に来た機械ですし、
もともと古いものが好きなたつやとしては、
活版印刷を趣味にしても面白いのではないかと考えています。
上;斜めに切り取れるようなミシン刃を組んであります。
下:実際にこんな風に組み版をしていました。
文字と文字の間に小さなコミと呼ばれる詰め物をし、行間は板を入れたりして調整しています。
その前に膨大な活字の棚からその文章に必要な文字を拾って(探して)来ていたのです。
6〜7年前までは、それなりに印刷もしていました。
ちょうどそんなことに取り組み始めた時期に
日刊県民福井の小柳保志さんに取材をしていただき、
その思いをますます強くしました。
弊社にはもう使わなくなった機械や活版印刷材料などが
少なからず残っています。
資料的な観点からも、いい状態での保存をしなければと考えています。
いつかは活版印刷の部屋として、一般の方にも見ていただけたらと思います。
これらで罫線を作っていました。
ブログを古くから見てくださっている方は
たつやが印刷会社の代表ということをご存知だと思いますが、
検索で辿り着いた方々は「いったいナニモノ?趣味に生きる人?」
などと思われるかもしれませんが、
実はそういう職業なのです。
なので印刷のご用命やご相談がございましたら、是非ご連絡くださいませ。
たつやのブログで紹介したお店の方から、
時折印刷物の相談やご依頼をいただきます。
撮影した膨大なデータはすべて高解像度で保存してありますので、
ショップカードやお店のDM、パンフレットなどに提供いたします。
たまには宣伝しなくっちゃ^^
印刷のご相談、ご用命は
明治36年創業の合資会社藤田印刷所へ
福井県鯖江市有定町1-1-29
TEL.0778-51-2805
FAX.0778-52-8543
mail:junchan.p@wt.ttn.ne.jp
実はたつや、毎日1時間程かけてブログを書いているんです。
だからお願い!って言う訳じゃないんですが、
応援クリックは面倒だけど多分2〜3秒くらいで出来ると思うんです。
ご苦労さ〜んって感じで押してもらえたらやっぱ、うれしいです。
数日お休みしていましたが、応援いただきありがとうございます。
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どの企業も同じですが 改革するより 残す 方が 難しいのです。 たつやさんの会社も この機械の 修理 部品 そして 職人 この 3つを維持してゆくのは 大変でしょう。
経営者としての たつやさん
ご苦労様です。
ハイデルの古い機器って機関車っぽいですよね。単に色が黒だからなんでしょうけど。置いてある場所とモノがマッチするとさらに魅力的なんだなーって写真みながらまた思いました。
面倒くさいモノは大事にしていきたいですね。
「中日新聞;藤田印刷所4代目・・・」を発見しました!
(http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/shinise/)
写真を見ているだけであの懐かしい「匂い」が蘇ってきました。
(それにしてもお父さんにそっくりになりましたなぁ!)
良いものを残すって大切なことですけど、本当に大変なことなんですよね。
がんばってください。
(はっきり覚えていないのですが)
先日TVで活版印刷をやっている場が出ていました。味がある印刷ということでけっこう注文があるそうです。
ぜひぜひぜひ〜
丈夫で長持ち、弊社でも改造されて打ち抜きの機械として時々稼動してます。
母型という言葉、久しぶりに聞きましたね。(^^)
昭和時代の機械がそのまま残っていますが、
その8割は使っていないモノです。
でもそのうちの一台は今でも重宝される機械なので、
ヒマを見つけてクラシックカーをレストアするみたいに、
動くように整備してみたいと思っています。
残して動かして仕事に繋げたいと思います。
きっとその中でもうちが一番古い機械があるかもしれません。
ハイデルのプラテンという機械をレストアしたいと思っています。
元、機械やさんとしてのアドバイスもお願いしますね^^
という感じかもしれませんが、
デジタルにはない面白さと味があるんですよね。
活版でしか出来ない加工を考えてみたいです。
会社の匂いやうちの父をご存知なのですね。
中日新聞のURLまで教えていただいてありがとうございます。
早速、本文にも貼りたいと思います。
大変な時代だからこそ、デジタル時代だからこそ、
活版の技術や面白さを残せたらと思っています。
デザインの引き出しという本でも、
『今、活版が面白い!』という特集号を出してたくらいです。
福井に来たら、遊びに来てね^^
打ち抜き用となればプラテンですか?
うちにも20年使っていないプラテンがあるんです。
それをレストアしたいと真剣に考えています。
使い方をまた教えてくださいね。