2006年05月23日

三国散策その3

更に進むと、右手に古い金物店があった。
外のショーウインドウから覗いてみると、昭和の匂いのする商品が並んでいる。
中に入るが誰も出てこないので、しばらく見学することにした。
ガラス製のレモン絞り、アルマイトの蒸し器、
昭和のキャラクターの箸入れなど懐かしいものが置いてある。
そこで変わったモノを見つけた。

焼き印だ。

焼き印.jpg

20センチほどの鉄の棒の先に直径2センチほどのやはり鉄製のハンコのようなものがついている。
もちろん文字は様々で、逆文字。
かなり錆が出ていて、戦後間もない頃に作られたものではないかと思われる。
焼き印を見ているうちに店の奥で物音が聞こえたので
「こんにちは〜」と声をかけると奥からおばちゃんが出てきた。
この焼き印はいくらかと尋ねると、昔は一本500円だったが、
古いし文字も揃っていないため、200円でいいと言った。
暗くて文字が見にくいだろうからと懐中電灯を貸してくれる。
自分の名前や家族の名前の一文字を探して全部で11本を買うことにした。
おばちゃんは、こんなものを買う人は珍しいと、2000円でいいと言うのだった。

写真は実際に娘の太鼓のバチに焼き印を入れてみたもの。

焼一Dタ.jpg

高見潤の生家の前を通り、風情のあるそばや森安のところで海側に降り、戻ることにした。

鉄線.jpg

この辺りは人通りもなく、ひっそりしているが、きれいな鉄線が植えてあったり、
面白いステンド風のガラスがあったり、港町独特の建物に出くわしたり、と全く飽きることがない。

DSC_0145.jpg

裏通り.jpg

そういえば三国焼のご主人が近所に『鬼久』の人形が置いてあるおうちがあると、
言っていたのを思い出して、ずうずうしくも訪ねてみた。
その家はもともとは麹屋をしていた旧家で、140年前に作られたその三体の人形は
三国出身の有名な人形作家『鬼久』の作品ということだった。
あまりにも見事な人形で、そのいきいきとした表情は、今にも動き出しそうに見える。
髪の毛とかは多分人毛を使っているのだと思う。

鬼久作人形.jpg

人形.jpg 

中にいらっしゃったもうすぐ80になるというおばあさんに
いろんな話を聞かせてもらった。
浅学菲才のたつやにはチンプンカンプンの話もあったが、
改めて三国の文化のレベルの高さに感心することとなった。

続く
posted by たつたつ・たつや at 22:52| Comment(3) | TrackBack(0) | 旅先にて・福井県内編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
う〜ん・・・僕もけっこう三国を知ってるつもりだが、たっつあんの散策はずば抜けてるね〜〜

これって、そこいらの三国町案内パンフよりすっごく良いよ!!

なんか・・写真とコメント、地図入りの本ができそうや。
Posted by ささき春喜 at 2006年05月23日 23:10
うん、三国は行く度ごとに新しい発見があるね。
それに三国の人はいい!なんか好きな街です。
また、このブログでも書いたけど、北前船の交易で、
いろんな文化や産業が出入りしていて、歴史的に見ても、
おもしろい街だと感じています。
某新聞社の若い子が、取材してみたい場所だと言ってくれました。

また、あの店も一緒にいこっさ〜^^;
Posted by たつや at 2006年05月24日 08:38
あの店・・・・・(・"・;) ウッ!!
Posted by ささき春喜 at 2006年05月24日 17:38
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