金・土・日とちょうど週末にかかった今年の三国祭り。
最終日の今日、あまりの天気の良さに誘われて、バイクに乗って昼から出かけた。
坂井平野の田んぼは田植えが終わり、
緑のきれいな苗が規則正しく植えられている。
田んぼの中の爽やかな風を切って走るのは、
バイク乗りにとっても一番気持ちのいい季節だ。
三国祭りは、驚くほど盛大で、三国神社から旧道をサンセットビーチ方面に向かって、
おそらく延べ2km近く様々な屋台が数百軒続く。
祭り本番は中日で、今年は昨日だった。
生憎の雨降りだったが、各地区の山車が神社まで引かれ壮大な景観だったという。
神社までブラブラ歩いて参拝を済ませて、裏山まで登ると九頭竜川が見渡せる。
裏通りから再び屋台の並ぶ旧道を歩くと、たくさんの被写体が見つかる。
喉が渇いたからお茶を買おうと、古びた種やさんに入った。
人の良さそうなおばちゃんが出てきて、「ハイ130円です」
・・・自販機で買ったら、150円するのにな〜・・・。
「暑いですから、一服してください」とおばちゃんはたつやに椅子を出してくれた。
ふと、手元を見ると大小様々な枡が置いてあるのを見つけ、聞いた。
「これって、何号枡?かなり使い込んでますね」
これが一升枡、これが五号枡、五尺枡、こっちのが2リットル枡・・・
小さな金属の匙まで見せてくれた。
種を売るときは、特に高価なものはこの匙1杯を種の袋につめて、市販するのだそうだ。
普段、見るのはそういった紙袋入りの種だ。
一緒に写っている缶は大根の種とかぶの種で、一缶4000円も5000円もする。
普通の人はそんなに必要ないから、小分けされた紙袋を買えばいいようになっている。
しかしながら、今では、お客さんも減ってしまい、店を閉めるかもしれないなどと話をしてくれた。
帰り際に、私には遊びがあると言って見せてくれたのが、「押し絵」
(と言ったように記憶しているが・・・)
切り抜いた紙の上に綿を乗せて、それを古い着物や帯の布を使って包む。
それらのパーツを組み合わせて、綺麗な絵にしていくというものだった。
古いものが好きなたつやとは結構話が弾んで、たくさんの押し絵を見せてくれた。
おばちゃんは本当に楽しそうだ。
そして帰り際に、おばちゃん手作りの今年の干支の根付をくれた。
130円のお茶を買った店で、もらった手作りの根付。
旅の思い出と、ちょっとした宝ものをもらった気分だ。
だから、知らない街を歩くのは面白い。
人やモノとの出会いがあるから、それも予期できないから。
このおばちゃんとの出会いが三国散策のプレリュードだった。
続く・・・・