2010年05月24日

絶品の山中伝承料理@すずや今日楼

以前輪島でブログを通して学んだことをテーマに講演をしたことがあるが、
その時知り合った山中温泉の温泉旅館すずや今日楼さんに行ってきた。

山中温泉は福井から近く丸岡の竹田から山を越えるコースなら
鯖江から行っても一時間ちょっとだ。
すずや今日楼は山中温泉の有名なこおろぎ橋から
少し南に歩いたところにある。

今回、すずや今日楼へは普通の温泉旅館にはない
山中に古くから伝わる精進料理に興味を持って訪れた。

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山中温泉の歴史は古く1300年前にさかのぼる。
北陸行脚で江沼国菅生神社に参拝中の僧行基が、
辰巳の方角に紫雲にたなびくのを見て訪ね、
出会った老僧に教えられ温泉を発見したのが
記録として残されているらしい。

また、かの松尾芭蕉が奥の細道の旅の際に
この地を訪れ、山中・有馬・草津は扶桑の名湯と紹介。
その素晴らしさを歌にしている。


さて、すずや今日楼の山中伝承料理とは何ぞや?

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山中温泉には医王寺という真言宗のお寺があり、
日本三大薬師のひとつだ。
そのお寺に伝わる精進料理をベースにしたもので、
山中の家庭に数百年に渡り、伝えられている料理
を提供している。

この地で生まれ育ったすずや今日楼の女将さんが
10年前から信念を持って始められたそうだ。

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うれしいことに宿泊金額もリーズナブルで
料理も伝承料理か板前さんの料理かを選ぶことができるシステムになっている。
また宿泊まではちょっと…という人のために
お昼の伝承料理とお風呂という選択肢もあり、好評だ。

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さてその伝承料理『かか様膳』だが、
最初に出された小皿の料理で先制パンチを受けた。
美しい山中塗りの漆器のお盆に金や朱塗りや溜黒の小鉢が並び、
5種類の料理が盛り付けてある。
器もすべて地元、山中塗りの漆器を使っている辺りも心憎い。

たつやが最初に手を付けたのは、
一番手前にある鉄火味噌というモノ。
コレがメチャメチャ旨いのだ。
女将さんの話に寄れば、鉄鍋で大豆を炒り、
昆布だしとお酒に漬けたスルメを混ぜ、
人参、牛蒡、蓮根を刻み入れ、
甘味噌を加え2時間ほど焚き上げて出来上がりらしい。

この一皿には、信じられない手間隙がかけられているからこそ、
味わえる一品なのだ。
お酒の好きな方なら、これだけでずっと飲んでいられることだろう。

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・エゴマ味噌のおよごし
・地元産の黒豆
・酢味噌和え 車麩やあさつきなどが副えられる
・エゴマ豆腐

いずれも一品一品丁寧に作られた優しい味の前菜が供される。

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伝承料理だけではちょっと物足りないと、
橋立漁港で獲れた鮮度抜群のお刺身カゴがついている。

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精進刺身
この芥子酢(けしず)にくずきりなどの精進モノを漬けていただく。
これはその昔は名前の通り芥子の実を使っていたらしいが、
今は白ゴマがベースになって、
それに昆布だし、豆腐、白味噌、酒粕、みりん、砂糖、塩を混ぜ、
最後に酢を加え、一日寝かしてから出される。

昔は男たちが半日がかりで練り上げるらしい。
今はフードプロセッサーなどを使うらしいが熱を持たさないよう、
わずかな量ずつ調理していく。
たっぷり入っていた芥子酢が余ったので、
このまま持って帰りたい!と真剣に思った。

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納豆好きにはたまらない納豆汁
昆布だしの旨味と納豆と少しのご飯が入った一品。

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椀ものはホカホカふかふかのそばがき
揚げたナスとししとうとの相性が抜群。
こういうそばがきの食べ方も新鮮で、驚きの美味しさ♪

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この鰊が今まで食べたことがない絶品の甘露煮
鰊文化は北前船によってもたらされたもの。
この作り方を聞いて驚いた。
少なくとも10日以上かけないとこの味にはならないのだ。

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写真ではまったく伝わらないのがもどかしい。
北海道産の身欠き鰊を糠を入れた水に3日3晩漬け、
臭みとアクと赤い油を少しずつ抜いていくらしいが、
それも水はしょっちゅう入れ替えする。
それからやっと火にかけるが、一日に一時間ほどだけ。
それを7日間繰り返すことで、この柔らかさと奥深い味になる。

この一品は、特にたつやファミリーから大絶賛!
若い娘や息子たちからも絶賛の嵐だった。

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酢の物と打ち豆のおみおつけ。

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いやはや、今までいろんな料理をいただいてきましたが、
これらの美味しさには正直驚かされました。
北陸は報恩講料理に代表される伝統的な料理が残されていますが、
また一味違った伝承料理を心行くまで堪能させてもらいました。

これぞ日本古来の伝統的な味なのだろう
と考えさせられる一食となりました。

今では貴重になった地元産の食材を使い、
信じられない手間隙と愛情を込めて作られる
すずや今日楼の1300年の歴史を誇る伝承料理は、
究極のスローフードに思えて他ならない。

お昼の伝承料理とお風呂に入れるプランは5250円。
料理の手間隙と味、それにお風呂の気持ちよさを考えたら、
格安だと思います。

たつやも近いうちにまた行きたいと思っています。
ツアー組んで行くのも楽しいかも〜♪
妙齢の元お嬢様方のご参加お待ちいたしております^^;

北陸の温泉旅館のお申し込みは、すずや今日楼さんも含め、
三ツ葉クラブ『ぷらっ湯・ゆの旅』までどうぞ!

http://www.plat-yunotabi.net/

なんと北陸3県の素晴らしい温泉旅館が、
8400円・9450円・10500円・13650円の4コースで、
予約宿泊が可能なんですよ〜


すずや今日楼
石川県加賀市山中温泉下谷町二ノ340
0761-78-4848
http://www.konnichiro.co.jp/

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posted by たつたつ・たつや at 22:26| ☁| Comment(7) | TrackBack(0) | 店グルメ・和食・アジア他編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
は〜い、妙齢の元お嬢様で〜す!
都合がつけば、ぜひ参加させてくださ〜い。
幹事さま、よろしくです!
Posted by kuri1gou at 2010年05月25日 00:08
素晴らしい料理ですね。
観て素晴らしく、味わってさらに素晴らしく、といった感じですね。
納豆汁のなかにご飯が入っているというのも珍しいですね。(^^)
Posted by きー at 2010年05月25日 12:25
たつやさん、こんにちは!!

お久しぶりです。^^
なんと山中に行ってきたんですねぇ〜^^
私の出身地であります。(*^^)v
私が福井に嫁いで10年以上経ったうちに
山中の町うちもすっかりかわり、時々帰ると
まるで観光客のような顔でお散歩します。^m^
今日楼さん以外にも素敵な旅館が一杯あり
こほろぎ橋の近くに素敵なカフェが出来たと
いう情報も・・・
今からだったら、鶴仙渓の川床もいいんでは…(*^^)v
Posted by fatmama at 2010年05月25日 15:49
たつやさん・・・

ごめんなさいm(__)m
こほろぎ橋ではなく、黒谷橋の近くでした。。。
東山ボヌールというカフェです。
Posted by fatmama at 2010年05月25日 18:50
いらっしゃ〜いkuri1gouさん^^
ではアナタ様とふたりっきりで行くことが決定いたしました(笑)

でもね、ホント希望者がいればツアーしたいです。
山中は歩いても楽しい場所だし^^
Posted by たつや at 2010年05月26日 00:37
きーさん、北陸はいいとこですよ〜。
小田原も漆器があって、箱根が近くていいとこでしょうが、
また違ったしっとり感があると思います。
この料理はすごい!
恐らく一年に一回きりのお寺での超ご馳走だったのではないか!?
と推察します。

虫もいそうだし、行きますか〜!
Posted by たつや at 2010年05月26日 00:40
fatmamaさんは山中出身だったんですかぁ!
めっちゃいいとこですね♪
鶴仙渓の川床も行ってきましたよ。
道場さんプロデュースのスイーツも美味しかったし、
その東山ボヌールの前でしばし悩みましたが、
時間がなくて入るのをガマンしたところでした。

緑が美しく、いい散歩道でした。
Posted by たつや at 2010年05月26日 00:43
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