

越前漆器の一番最初の工程が、木地だ。
丸モノと呼ばれるお椀や皿などの原型をノミだけで削り出す。
おおまかに下処理をされた木地を
木工用ろくろに挟んで回転させる。
そこにノミを当てて、削りだすのだが、それはまさに神業。
ノミの先端部分のわずかな動きが削りを左右するため、
ノミはしっかり両手で持たれ、
支点が動かないように台が置かれている。


数種類のノミを使いながら、
みるみるうちに内部が削られ、
カップの形になってくる。
最初は大きな木屑が出てくるが、
だんだん細かくなり、最後はほとんど出ない。

これは最近人気のコーヒーカップの木地だそうだ。
最終の仕上げはろくろを回しながら、
サンドペーパーを当てて行う。



珍しいノミ(というのが正しいかはわかりません)だったので、
ちょっと聞いてみた。
こちらに置いてあるノミは全部ご自分で砥がれるのですか?
何とこの何十本とある道具はすべて自作しているとのこと。
なので砥ぐことはもちろん、曲げたり叩いたりすることも、
清水さん自らが手がける。
鉄を熱くするには火起こしからするのだが、
ガスバーナーなどでは、温度が低すぎてダメなのだそうだ。
昔ながらの炭火にドライヤーを改造した送風機で空気を送ることで、
温度を上げて、鉄の棒を加工するとのこと。
木地師さんとは、木地を作るだけではなく、
それらの道具もすべて自作していたのだ。

木地の材質によっては柔らかく加工しやすいものもあれば、
硬くて加工しにくいもの(しかし丈夫で長持ちするのだそう)もあって、
その度にノミを変えたりする。
現在、河和田の越前漆器協同組合の中で、
この仕事に携わっている職人さんは現在2名。
清水さんが初めてこの世界に入った時は
110人の丸モノ木地師がいたそうだ。
河和田でも後継者問題は現実となっている。

越前漆器って凄い世界でしょ!?
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