たつやはひとつのガラス作品に目を奪われてしまった。
多分他にお客さんがいただろうし、
他にも作品があったのだろうが
その一点から動くことができなかった。
それは十字に型どった大理石の上に、
聖杯のような形の硝子が乗っていて、
硝子の上部にいくほど美しい深いピンク色のグラデーションが濃くなっていた。
聖杯のような形にはいくつか切り取られたクラックがあって、
それが夕方の太陽の二次光線を浴びて輝いていた。
作品を前後左右角度を変えて眺めて見るが、
その魅力は崇高な中にある美しさや
ある種デジャブのような懐かしい感覚の中にあるような気がした。
その作品を作ったのであろう方に撮影の許可をもらい、
試みるものの平面になってしまう画像では、
とても表現できないことに気付いた。
金沢市大野地区のおさんぽカメラという集まりだったために、
そろそろ集合時間が迫っていたため、
後ろ髪を引かれながらもアトリエを後にした。
解散後、たつやは再びさっきのアトリエを訪ねた。
「あの〜、コレって販売してるんですか?」
「一応、売ってます。だけど安くありませんよ」
聞いた価格は確かに安くなかった。
だけど、どうしても欲しかった。
「お願いします。売ってください」
銀行に行く間にこんなことを考えていた。
衝動買いは時たまするが、それらの金額は高くても数千円程度、
だけど今回はそれのン○倍もしたから、一度冷静になって考えよう。
今ならキャンセルも可能だ。
だけど、やっぱり答えは同じだった。
家に帰って、ゆっくり前後左右上下斜めから眺めているが、実にいい。
どこに置くか悩むところだけど、
しばらくは手の届く範囲に置いて、触感も含めて楽しみたい。
市川篤・・・ガラス造形家・スタジオ・プラスG代表
1963.07 東京都生まれ
1993.06 英国ファルマス芸術大学ファンデーション科終了
1997.07 米国 工芸学校ヘンランド・スクールに奨学生として参加
1998.03 富山ガラス造形研究所 ガラス造形科卒業
1999.03-2002.03 滋賀県長浜市ガラス工芸館技術指導員
2002.04-2007.03 金沢卯辰山工芸工房 ガラス工房専門員
2007.04- STUDIO plusG設立
受賞歴
1997.11 第47回富山市美術展 工芸部門 第三賞
2001.01 第3回現代ガラスの美展in薩摩 理事長賞
2004.03 第4回現代ガラスの美展in薩摩 グランプリ
2005.06 第2回現代ガラス大賞展・富山 特別賞
2006.04 第62回現代美術展 佳作
2007.05 第46回日本現代工芸美術展石川展 石川県知事賞
など。
市川さんのことは、存知上げなかったのですが、
やっぱり凄い方でした。
世界にひとつしかない作品ありがとうございます、大切にします。
古くから醤油の醸造が盛んな大野町にある、
築百年を経た醤油蔵を利用したガラス工房。
工房を主宰するのは、金沢卯辰山工芸工房の専門員だった市川篤さん。
土曜と日曜には工房を一般に公開。
初めての人でも気軽にガラス工芸の楽しさに触れられる教室には、
とりわけ力を入れている。
ショップスペースには、器やアクセサリーなど
市川さんの手によるガラス作品を展開。
ギャラリーでは、ガラスにとらわれない様々な作家を紹介する。
スタジオ・プラスG
石川県金沢市大野町2-39
090-8266-7490
営業時間10:00〜17:00(〜20:30夜間教室のみ)
営業日/土・日、水曜(夜間教室のみ)
人気blogランキングへ
応援クリックいつもありがとうございます。
1位〜3位が大接戦なんです、よろしく
福井情報の応援もよろしくです。記事878
ラベル:アーティスト
家に帰ってからも心からいいと思える出会いだったんですね。ちょっとうらやましい。
昨年、旅行先で素敵なグラスと出会ったのですが、足元で騒ぐ子供をみてあきらめました。
割れてしまった時のショックの大きさを経験してるので。なのでファイヤーキング、死守しないと!って思いますね(笑)
家に帰ってからも、毎日眺めたり、撫でたり^^;
頬ずりしたり^^;;;してます^^
カタチあるものは、いつかは崩れる・・・
けど、不注意からだと辛いものがありますよね。
たつやも気をつけます。
あじゅんさんのファイアーキングは、
珍しいジェダイのマグだから、大事にしてね〜
あの最後の解散間際のたつやさんのモジモジ具合が微笑ましくっていい感じでした。年上の方に失礼ですね、私。でもそんな感じだったんですよ。
で「買うっ」って決めて「自分のものになる」ってなった時の「既に凄い満足」な表情も印象的でした。
たつやさん、あん時、オモチャ買って貰った子供と同じ顔でしたもん。
こんな衝撃的な場面に偶然立ち会えてラッキーでした。
でも、本当にこの作品美しいですもんね。この出会い、良かったスよね。
ごまかしようがございません^^;
自分ではどんなんだったんか、まったく把握できていなかったので、
こうして、ガッツさんにレポートしてもらえたのは、
恥ずかしいけどありがたいことです。
この良さをわかってくれるかい?