2008年08月05日

昭和の駄菓子屋

たつやの家から小学校までは、町の中を通って約30分の距離にあった。
それなりに大きな道もあったが、いつも路地を選んで帰る。
クルマが通れないような細い道を右に左に何度も曲がりながら、
友だちと話をしながら、だらだらと歩く少年だった。
民家と民家の間を抜けたり、塀垣をよじ登ったり、
人の家の庭を抜けることもある。
空き工場に忍び込んで、秘密基地を作ることと、
駄菓子屋に行くことがとてつもなく楽しかった。


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学校と家のちょうど真ん中辺りに
通称『たきなみ』という駄菓子屋さんがあった。
ほぼ毎日のように、その店へ行ってたような記憶がある。
学校の帰りだったか、家に帰ってからまたたきなみに行ったのかは、
はっきり覚えていないが、祖父にもらった10円玉を握りしめて、
一回5円のくじを引くことが大好きだった。
時には20円の日光写真や子供だましの手品用品を買ったり、
お小遣いの日に50円のゴム動力で飛ぶ組み立て式の飛行機を買った。

人口甘味料のチクロが禁止になったのも、
たつやが小学校の3年生の頃だったと思う。
それまでは、身体に悪いとされる甘味料や添加物が
がんがん使われていた時代だったから、
我々の世代はいろんな食品汚染の実験台になっているかもしれない。


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さて3年ほど前から、たつやは、地元中学校で
コミュニティルーム当番という
ボランティアを月に2回やっている。
朝の30分ほどを生徒が自由に使える部屋の管理・運営を
お手伝いさせてもらっているだけのことなのだが、
その行き帰りに見かける中学校近くのある建物が気になって仕方なかった。
たつやの記憶が確かならば、この店には38年前に入ったことがある。

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窓ガラスにカルピスのステッカー。
もちろん戸は木製のゆらゆらガラス。
中に入る前から、中にいるであろう人物像は容易に想像が出来た。
この手の店の98%がおばあちゃん(もとおばちゃん)なのだ。
それにほぼ100%の確率で40年以上営業していて、跡継ぎはいない。

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ガラガラを戸を開ける。
こんにちわ〜
中から、やっぱりおばあちゃんが現われた。
あついのぅ、うちはもう何にも置いてないわ
そういえば、ちょっとした駄菓子だけがある。
あとの棚やガラスケースの中には、
おばあちゃんが食べる野菜が置いてあるだけ・・・。
ほやけど、たま〜に子どもが来るでの、
ちょっとだけ仕入れているんや

たつやは「昔ココに来たことがある」ということや
駄菓子やオモチャのことや、
そして通っていたたきなみの話をしばらくしていた。
おばあちゃんは、頷きながら、懐かしそうに
何かを思い出したように遠くを見ていた。

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言葉は良くないですが、絶滅寸前が町の駄菓子屋かもしれません。
確実にここ数年で激減するでしょう・・・。
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ラベル:昭和の町
posted by たつたつ・たつや at 23:55| Comment(12) | TrackBack(0) | 気になるお店編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あぁ〜!この店、見覚えがあります!

現役(中学生)時代には毎日前を通っていたのに、一度も立ち寄ったことがありませんでした。

いつも気になっていたのに・・・。

買い食いはダメだって言われていたから・・。

なのに、まさか、こんな、
拝みたくなるような笑顔が
あったなんて!

中学3年間、もったいないことをしました。

こんど、ちょっと仕事のついでに
(はじめて)のぞいてみたいです!

大人のような子どもだった、
子どものような大人より。


Posted by くぼっち at 2008年08月06日 04:09
駄菓子屋さん。私が住んでいる神楽坂にも何軒かありましたが、1つ2つと閉めてしまいました。子供が小さかった頃はよく行ったものです。そういうお店はやっぱりおばあちゃんがやっていました。跡継ぎがいなかったのでしょうね。閉店間際にはお店の棚がだんだん空いていくのが寂しかったです。
この写真のおばあちゃん、良い笑顔ですね。たくさんの子供たちをこの優しい笑顔で見守っていてくれたんでしょう。子供のオアシスが無くなっていくのは本当に残念です。
Posted by ロンド at 2008年08月06日 17:02
懐かしい!
中学時代の登下校を思い出し、まだあったんだあ・・・。としみじみしてしまいました。駄菓子屋さんてやっぱりいいですよね。
Posted by ジジ at 2008年08月06日 19:58
以前もコメントさせていただいた瞳です^^*覚えていてくれてますか〜?;笑
私も駄菓子屋大好きです!!!近所に見つけたんですが,行くと毎回子供たちが団体でいるので気が引けて入れません…´`;笑 今度こそは!!
そして石窯のパン屋さんも発見しました〜!!!たつやさんの石窯パンの日記を読む度に石窯パンを食べてみたい衝動にかられていたので,うれしい限りです〜♪♪♪
Posted by ひとみ at 2008年08月07日 00:54
とても懐かしい駄菓子屋さんです。ほとんど見かけなくなりました。でも私も昔そらおばん塾の帰り、10円を持って駄菓子を買いました。こんなお店があればご報告します。しかしこのおばあちゃんたぶん相当の年齢かと思いますが、お若く見えます。たぶんたつやさんのシャッターの前ではどんな方も若く生き生きとなるんでしょうね・・・・。たつやさんの腕なんでしょうね・・・。
Posted by 語り部見習い at 2008年08月07日 06:42
いい味出ていますね〜〜
この雰囲気、そしてお婆さん、たまらないです。

我が家の近くにも私が小さいときから利用していた駄菓子やさんがまだあり、息子たちがスーパーよりそこを楽しく利用してくれているのが何だか嬉しく思っています。
Posted by くま先生 at 2008年08月07日 15:44
くぼっちはこの店知ってるんだね!?
食い買いがダメって・・・
なんて優等生なの!
たつやなんて今でも・・・^^;

入るのに勇気のいる店ではないと思うよ〜。
100円持って、お菓子を選んで、
ばあちゃんの笑顔に会おう!
Posted by たつや at 2008年08月07日 22:48
ロンドさん、神楽坂にもありましたか。
というか日本中のどんな田舎に行ってもあったんでしょうね。
今は東京の方がたくさん残っているかもね^^

昭和の顔がどんどん姿を消して行きます。
せめて、写真で残したいと思っています。
駄菓子屋とばあちゃんコレクション^^
Posted by たつや at 2008年08月07日 22:50
ジジさん、あなたのような若い人でも行ってたんだね。
昭和の駄菓子屋世代では一番後くらいかなぁ?
懐かしさと共に、昔の駄菓子屋の風景を思い出します。
Posted by たつや at 2008年08月07日 22:52
ひとみさん、ご無沙汰です。
知ってる駄菓子やさんがあるんですね。
でしたら、是非行ってみてください。
10円とか20円で帰る駄菓子もあるんですよ。
昔に比べれば、味も美味しくなってます。

でもたつやは駄菓子よりオモチャ系がいいんですがね^^
Posted by たつや at 2008年08月07日 22:54
語り部見習いさん、こういう駄菓子屋に懐かしさを
感じるということは、それなりの世代の方なんですね^^;
知ってる店があったら教えてくださいね〜。

たつやの知ってる限り、駄菓子屋のおばちゃんは
2種類に分かれます。
そう、めちゃめちゃ優しそうなおばちゃんと、
そうでない、きっつ〜いおばちゃん^^;
意外に後者の方が多かったりして・・・
Posted by たつや at 2008年08月07日 22:56
くま先生
いい環境だね〜^^
先生んちのこどもさんは、昭和の子どもだね!
ある意味、めちゃめちゃ恵まれた環境かもしれません。
こういう場所で、いろんなことを学んで育つんでしょうね。
Posted by たつや at 2008年08月07日 22:59
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