半世紀近く生きてきたのに、日本の伝統的な文化や芸術、工芸に対して
あまりにも無知であることを痛感することが度々ある。
この年齢になると、ただ知らないということは、
無知→厚顔無恥のような気さえする。
先日、たねと、はっぱのオーナーさんから誘われて、
『京鹿の子』和美の響き色2008という催しに出かけた。
場所は福井市のおさごえ民家園の城地家。
築160年の凛とした空気に包まれた空間の中で
京都の絞り職人さんによる実演・展示とお茶会が行われた。
「絞り」という言葉は知っていたが、
それがどんな技法なのか、
どんな歴史があるのか、
どんな作品があるのか、など、
恥ずかしい話だが知識がまったくない状況で出かけた。
最初に惹かれたのはコレ。
お茶碗を入れる巾着のようなもの。
漆器に映る絞りの紋様が実に美しい。
すべてが和の組み合わせから生まれる美の世界に
しばし見とれてしまった。
その後、お茶会が奥の間で行われるということで、移動して驚いた。
右手に絞りで作られた守護四神図 巨大絞り几帳
(幅6m 高さ2m)が飾られていたのだ。
絵柄は東西南北の守護神、青龍・白虎・朱雀・玄武が描かれている。
知識の薄いたつやにもこれがいかに凄いものかはわかる。
国宝に値するのではないだろうか!?
京都絞栄会の職人、松田さんの話を聞いた。
松田さんはこの絞り職人の中では一番の若手で60代。
あとは70代80代それ以上の方しかいらっしゃらないらしい。
後継者が育つ環境ではない、というのは
少なくとも30年修行しないと商品にならないし、
その工程は気の遠くなるような時間と手間の
積み重ねでしか産まれないからだ。
(着物一枚作るのに3年かかる)
だとすれば、今世紀には1300年の歴史を持つ
京鹿の子絞りは消えることになる。
説明の最後に松田さんはこう言われた。
「私たちはこの絞りの技術を残すことは出来ないんです。
だからせめて作品をたくさん残したい。
私ひとりで出来た技ならいいんです。
1300年に渡る歴史と先人に本当に申し訳ない・・・」
こういう文化を継承していくことは
日本の国家としての義務だと思うのだが・・・。
国のプロジェクトを組めないものだろうか。
そういうことに税金を使って欲しいと思うのは
たつやだけではないはず・・・。
この会を機に、和の文化について勉強したいと思った。
京都絞栄会のホームページです。
http://www.shibori.jp/
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