さて、これは昨年の夏の旅のことだが、
記憶をブログに残したいと思う。
たつやが十数年前に出会って、魂を奪われた舞台がある。
宇崎竜童・阿木燿子プロデュースの『フラメンコ曽根崎心中』
その主演を務めたのが鍵田真由美さんと佐藤浩希さん。
そして舞踊団アルテイソレラのダンサー、ミュージシャン。
昨年の12月には名前を『AY曽根崎心中』と変え、
東京の新国立劇場で10日間に渡り、14回の公演を行った。
たつやはその期間のある土曜日と日曜日に観劇したのだが、
その前日の金曜日には天皇皇后両陛下がこの舞台をご覧になった。
この公演は主役のお初と徳兵衛を、
鍵田真由美・佐藤浩希のお二人と、
工藤朋子・末木三四郎のお二人が、
ダブルキャストで主演した。
たつやはどうしても両方観たくて、二日間に渡って観劇した。
2017年からアルテイソレラのトップダンサーである
工藤朋子さんが一年間、文化庁新進芸術家海外研修員として
スペインのセビージャでフラメンコ留学をしていた。
その彼女が2018年の4月頃にフェイスブックでアップした
一枚の写真が上のもの。
それまでも何度かスペインでの様子を発信していたので、
見てはいたものの、この一枚の写真は衝撃的だった。
セビージャ市内で撮ったであろうこの一枚を見た瞬間、
ここに行く!
と決めた。
行ってみたいとコメントしたら、
工藤さんからすぐに
来るなら8月までですよ〜
というコメントが返ってきた。
出来るだけ交通費は節約したい。
航空会社はどこでもいい。
LCCで十分。
だってたつやの新婚旅行でさえ、
アエロフロート(ソビエト航空機)だったくらいだから。
探して探して、中国の北京で乗り換える航空券を買った。
燃油サーチャージと空港税を除いた羽田ーマドリードの往復航空券は、
大5枚、小5枚で手配できた。
荷物をたくさん持っての移動は嫌いなので、必要最低限に。
着替えは2枚のみ。
毎日洗濯する。
小松ー羽田ー北京ーマドリードーセビージャという移動は、
ほぼ24時間かかったが、
久しぶりの海外でたつやは興奮していて疲れはなかった。
マドリード空港から駅まではバスを使って移動。
目指すは工藤さんがいるセビージャだ。
電車の中から写真を撮ろうと思って、後方に移動したら、
大きなベッドタイプの車椅子に乗った女の子がいた。
目が合うと彼女はニッコリ微笑んだ。
たつやも笑い返して、オラ!とあいさつすると、
彼女もオラと応えてくれた。
え〜っと、携帯を出して来て、
翻訳ソフトを使って、会話を始めた。
そのうち少し離れたところに座っていたお母さんがやってきて、
英語で話しかけてくれた。
どこへ行くの?と聞かれ、
セビージャへ行くと答えると、
私たちも同じよと返ってきた。
セビージャで行われるロックミュージシャンのコンサートに行くらしい。
たつやは日本人の友だちのフラメンコダンサーに会いに行くのだと話した。
たつやは日本から持ってきていた越前和紙で作ったミニ便せんを
プレゼントすると彼女はとっても喜んでくれた。
重い障がいを持っている少女だったが、
とても明るく元気でたつやと一生懸命話してくれた。
いつか日本においでよ!と言うと、
うん!行きたい〜と目をキラキラ輝かせていた。
ほんの20分程度の短い時間だったが、
忘れることの出来ない出会いとなった。
なんだかとてもあったかい気持ちになれた。
間もなくセビージャ・サンタフスタ駅。
車窓の風景もオリーブの畑から、少し町に変わってきた。
やっぱりたくさんの方にブログを見ていただきたくなりました。
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