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10年ぶりに会った百合子ばあちゃんの
お気に入りの写真をパネルにして、
三度、百合子ばあちゃんを訪ねた。

http://onmyojitatsuya.seesaa.net/article/434094077.html
ピンポーン。
中から人の気配がして、
しばらくすると中の襖が開いたような感じがして、
玄関の戸を開けた。
「あ、あぁ、ふじたじゅんいちさん。」
今回も百合子ばあちゃんは、たつやのフルネームを
完璧に覚えてくれていた。

ちょうどお彼岸の午後で、
ご家族は連休でお出かけされていて、
百合子ばあちゃんだけがお留守番をしていた。
「あのぅ、この前撮った写真を持ってきたんやけど・・・」
A5サイズくらいの写真立てに、
百合子ばあちゃんの最高の笑顔の写真を入れて、
持ってきたのだ。

百合子ばあちゃんは、自分の写真を見て、
「あらぁ、よう肥えてるわぁ」
と言って、また写真と同じくらい笑っている。
それも何度も見直して、また笑う。
なんて素敵な笑顔なんだろ・・・。

「あっ、ほうや、おはぎ食べなはらんか?
ちょうどお彼岸でもらったのがあるんや。
お仏壇にお供えしたるの、持ってくるわ」
少し足の悪い百合子ばあちゃんは、
ゆっくり立ち上がると、奥の部屋へ行って、
パックに入ったおはぎを持って来てくれた。

「ありがと〜、ひとついただくわ」
「みっつとも食べなさい」
(そ、そんなには食べられません)
その場で、ひとつ食べることにした。
おはぎは大きくて、餡子の粒々がたっぷりついていて、
田舎のおばあちゃんが作る懐かしい味だ。

「お茶も飲みなさらんか?飲むじゃろ?」
また立ち上がって、別の部屋へと行く百合子ばあちゃん。
なんだか申し訳ない。
そのうち、百合子ばあちゃんは真っ赤な小さな水筒を持って来て、
たつやの前に座った。
お盆に湯呑みを乗せ、その赤い水筒からお茶を入れてくれる。
その様子がとても印象的だった。
百合子ばあちゃんがとっても可愛くて仕方ない感じ・・・
「ちょっとぬるいかもしれんけど・・・」

ありがたい時間だった。
あの日の、おはぎとちょっとぬるかったお茶の味は、
きっと忘れないだろうな。
最初に撮った写真を百合子ばあちゃんに届けるには、
10年の歳月を要したが、
2回目に撮った写真は1ヶ月後に届けることが出来た。
またあの最高の笑顔に会いに行きたいと思っています。
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ラベル:旅の想い出