出雲大社近くにある命主社で出会ったYさんと、
いろんな旅の話で盛り上がった時に、
「Yさんの感覚でおすすめの場所はありますか?」と聞いた。
「どういったところですか?」
「出来れば神社とか・・・」
Yさんは数ヶ所のおすすめ場所を教えてくれた。
たつやはスマートフォンにメモをしてお礼を言って別れた。
「僕は大きな石とか岩に魅かれるから・・・、
でも、たつやさんが好きな場所かどうかはわかりませんよ。」
という言葉が耳に残っていた。
宿泊を松江市内にとっていたこともあって、
翌朝、いつもより早めにチェックアウトをして、
Yさんがおすすめしてくれた立岩神社へ向かった。
ナビに入れるとちゃんと出てくるので、
安心してアクセルを踏んだ。
今日も実に美しい青空が広がっている。
宍道湖の美しい湖面を眺めながら走り、
やがて右に折れて、山道を上がり始めた。
だんだん紅葉が美しくなると同時に、
人家はほとんど見かけることがなくなってきた。
ナビを頼りにすると、どうやらこの辺りなのだが、
ただ林道があるだけで、神社らしくものはまったくない。
何度か行ったり来たりしてみたが、どうしても見つけることが出来ずに、
少し奥に入った小さな集落へ行って、人影を探したが、
誰ひとり歩いている人はいない。
一軒の民家を訪ねて、中にいたおばちゃんに聞いてみた。
どうやらさっき通った道のようだ。
そういえば林道脇に『立石神社』という小さな看板は見た。
しかしながら、たつやが神社は立岩神社だったので、
立石神社はまた別の神社だと思って通り過ぎたのだった。
おばちゃん曰く、立石さんとも立岩さんとも言われていて、
その看板があった反対側のガードレールの下の竹やぶに降りていくのだという。
言われた通りに道を戻り、
立石神社の看板がある路肩が少しだけ広くなっている場所にクルマを停めた。
その反対側に『立石神社入口』という看板があって、
そこには竹の杖が何本か置いてあった。
たつやはその一本を持って、人ひとりやっと通れるような道を降りた。
竹藪が広がっていて、それが太陽の光を遮っていて、
辺りは夕暮れのような暗さになった。
湿気のある冷たい空気が身を包む。
この辺りから、すごいところへ来た!という感覚と、
生半可な気持ちでは踏み込んではいけない神聖な場所という空気が漂っていた。
それに、子どもの頃に誰もいない森の中に入り込んでしまい、
得体の知れない恐怖感と似たような畏怖を覚えた。
しばらく下へ降りていくと、桂の巨木があった。
巨木を右手に見ながら、時計回転で右側に回ると、
いきなり巨木の向こう側に、ものすごく大きな岩が現れた。
そのあまりの存在感に声を失い、しばらくその場を動くことが出来なかった。
更に回り込むと、その大きな岩はひとつではなく、
同じような大きな岩がもうひとつあって、
それらはまるで神様がそこに置いたのではないかと思われるくらい、
左右対称のかたちを成していた。
圧倒的存在感。
圧倒的エネルギー感。
岩と岩の間には、5本の御幣(ごへい)が供えられていた。
神社という名前だから、当然建物があると思っていたたつやにとって、
この立岩神社は衝撃的だった。
ここに訪れた瞬間、数千年の時を瞬時に旅してきたかのような気持ちになり、
古代信仰がどんなものであったのか理解出来たような気になった。
ここは宇宙とつながっている・・・
普段の生活の中では考えたこともないようなことが
自然に湧きあがってくる立岩神社だった。
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