本格的な雨になった。
どこかでお昼のご飯を食べてるうちに雨は上がるだろうと、
楽観的に考えていた。
今までも行きたかった旅先では大抵雨が上がり、晴れ間が覗いたり、
イベントをする時もいつもお天気の神様には味方してもらっていたので、
今回も大丈夫なのだろうと勝手にいい方向に考えていた。

しかしながら雨は降り続いて、このまま晴れるのを待っていると、
内宮の参拝は出来ないだろうと判断し内宮へ向かった。
有料駐車場にクルマを停めて、傘とカメラを持って歩き始めた。


伊勢内宮への道はおかげ横丁という門前のお土産物やさんが軒を連ね、
美味しそうな匂いが漂って来たり、お店の人から声がかかる。
帰りにゆっくり見ればいいと先を急いだ。
内宮に行くには鳥居をくぐって、五十鈴川を渡らなければならない。
橋の上から見る五十鈴川の上手は、モヤが立ちこめていて、
より神々しく厳かに見えた。

広い参道を歩いていくと、右手に五十鈴川の清流が流れている。
そこで手を洗い清めて、参拝に向かう。
この場所から五十鈴川の上流を眺めると、
まさにここは神々の住むエリアだと感じる。
100年前も500年前も、遷宮が始まったとされる1300年前も、
まったく変わりない光景なのではないだろうか。


そこから少し進むと、左手の社務所のようなところに、
正装した神主さんたちがずらりと並んでいた。
何か神事が行われるのだろうか?
立ち止って中を伺おうとしたら、
警備の方から先に行くように促された。

更に奥の方へ行くと、右手に参拝客がずらりと並んでいる。
不思議に思って警備の方に聞くと、
40分ほど後に祝詞奏上という神事が執り行われるとのことで、
皆は待っているということだった。
何も知らずにこの日、参拝に来たたつやとしては、
こんな幸運なことはないと、その列の一画に並ぶこととした。
相変わらず冷たい雨が落ちていたが、幾分小降りになっていた。
傘を差して待っている間に、細かい雨になっていたので、
ふと空を見上げるとちょうど真上の雲の真ん中が
ぽっかり開いて青空がほんの少し顔をのぞかせていた。
晴れるかもしれない!そんな期待が広がった。

30分程待っていると、先ほどたつやが歩いてきた参道の鳥居の向こうから、
大勢の神官の行列が歩いてきた。
厳粛で荘厳な雰囲気の中だけど、どこか明るい雰囲気があると思った。
夢中でシャッターを切っていると、
いつの間にか陽が差していることに気が付いた。
ぽっかり空いた雲の中の青空が大きく広がっていて、
ついに太陽が顔を出したのだ。
内宮の主祭神は、天照坐皇大御神 (あまてらしますすめおおみかみ)
一般的には天照大御神さまなので、すごい力があるものだと感心した。

祝詞奏上が行われる時には、さっきまでの雨が嘘のように青空が広がり、
雲一つない天気になって、秋の太陽が燦々と降り注いできたのだ。
これにはたつやだけでなく、周りにいた参拝客も驚いていた。
まざまざと目の前で奇跡が起きたことを見せられた感じがした。

神事が終わり、いよいよ参拝へと向かう。
遷宮を終えたばかりの正殿は、美しい檜の建物がまぶしかった。
辺りに広がる檜の香りに包まれて、
さっきまでの雨によって屋根に浸みていた水分が、
太陽に照らされて湯気となって空に溶けていく様は、
この世界とはまったく別の世界にいざなわれた感じがして、
ただただその幽玄な景色を眺めながら佇んでいた。

高貴なエネルギーを感じる場所では、
いつも眉間の少し上を押されるような、
何かシールのようなものをくっつけられたかのような感覚になるが、
この内宮では特に強烈だった。

たまたま訪れた日に神事が行われて、
ずっと降り続いていた雨があっという間に晴れていく様を見せていただき、
参拝時は水蒸気が天に向かって悠々とそびえる大きな松の木の彼方へ
登っていく様子を見せていただくことが出来ました。
伊勢神宮はいいよ〜!と多くの人が口を揃えて言われますが、
それは本当でした。
福井から伊勢までは、思ったよりも近いし、日帰りも十分可能なエリアです。
出来れば、また今年も参拝させていただきたいと願っています。

式年遷宮
神宮式年遷宮は、神宮(伊勢神宮)において行われる
式年遷宮(定期的に行われる遷宮)である。
原則として20年ごとに、内外両宮の正宮の正殿を始めとする
別宮以下の諸神社の正殿を造替して神座を遷し、
宝殿、外幣殿、鳥居、御垣、御饌殿など計65棟の殿舎といった全社殿を造替する他、
装束・神宝、宇治橋等も造り替える。
記録によれば神宮式年遷宮は、飛鳥時代の天武天皇が定め、
持統天皇4年(690年)に第1回が行われた。
その後、戦国時代の120年以上に及ぶ中断や幾度かの延期などはあったものの、
平成5年(1993年)の第61回式年遷宮まで、およそ1300年間行われている。
平成17年から第62回式年遷宮の各行事が進行中で、
同25年(2013年)には正遷宮(神体の渡御)が行われた。
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