ほぼ諦めかけていた出会いは唐突に起きた。

昆虫少年だったたつやには、
手が届かない存在だった種類がいくつかあった。
図鑑の世界だけで見たり、実際に見つけても
遠くを悠々と飛び続ける姿だけだったりして、
決して網に入れて実物を目の前で見たことがない虫たち。

トンボの王様はオニヤンマだけど、
この種類は結構どこにでもいて捕まえるのは難しくない。
だけど憧れはギンヤンマというトンボだった。
池の畔や川でたまに見かけたが、
子どもだったたつやを嘲笑うかのように、
捕虫網の先をすり抜けていった。


そして、いつしか昆虫少年は、昆虫おじさんになり、
捕虫網をカメラに持ち換えたたつやに
多分一生に一度のチャンスが巡ってきたのた。
美しい水にしか生育しない梅花藻が連なる小川で写真を撮っていると、
緑色に輝く一匹のトンボが水面スレスレに飛んで行くのが見えた。
瞬時にギンヤンマの雌だと思った。


目で追うとあろうことかほんの数メートル先の梅花藻の上に留まったのだ。
息さえ止めてカメラを構えた。
数枚のシャッターを切って画像を拡大して確認すると、
尻尾を水中に入れて産卵している。
これはもしかするともっと近づけるかもしれない。

細心の注意を払い、川の反対側に渡り、
スーツを省みず地べたに寝そべり、
そーっとカメラを彼女に近づいてシャッターを切る。
その距離50cm!
彼女はたつやの存在もカメラのレンズにも気付いているようだが、
ま、いいかぁ・・・産卵中だし^^
と思っているかどうかはわからないが、飛び立つ気配はない。

おかげで、目の前でじっくり彼女をうっとり眺めることが出来た。
しかも幸運なことに新しいカメラを持っていたので、
動画に収めることも出来たのだった。
こうして夢のひとときは本当に唐突に実現したのだった。

福井の自然は素晴らしい。
ほんの十分も走れば豊かな自然に出会えることが出来ます。
そんなところに生を受けたことを誇りに思います。
ギンヤンマ(銀蜻蜒、Anax parthenope)は、
蜻蛉目(トンボ目)・ヤンマ科に分類されるトンボの一種。
日本では全国に広く分布し、
ヤンマ類の中ではよく見られる種類である。
頭から尾までは7cm、翅の長さは5cmほどの大型のトンボである。
ヤンマとしては体長に比して翅が長い。
頭部と胸部が黄緑色、腹部が黄褐色をしている。
オスとメスは胸部と腹部の境界部分の色で区別でき、
オスは水色だがメスは黄緑色である。
翅は透明だがやや褐色を帯びていて、メスの方が翅色が濃い。
昔はオスを「ギン」、メスを「チャン」と呼んでいた。
湖、池、田など、流れがないか、もしくはごく緩い淡水域に生息する。
ヤンマ類の中では馴染み深い種類で、各地にいろいろな方言呼称がある。
成虫は4月-11月頃に発生し、昼間に水域の上空を飛び回る。
飛翔能力は高く、高速で飛ぶうえにホバリングなどもこなす。

これも結構決定的瞬間かも?
ヤマトシジミの交尾の瞬間です。
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ラベル:昆虫