里山ジャンボリーの第二部は、安曇川ふれあいセンターのホールで、
今森光彦さんと、今森洋輔さんの対談「生命を描く」が開催された。
このおふたりは実の兄弟で、
こういうカタチで対談をするのは初めてとのことで、
お互いにちょっと照れながらのスタートという感じ。
形式としては、お兄さんの光彦さんがホストで、
弟の洋輔さんがゲストというカタチ。
細密画というあまり聞きなれない言葉だが、
ひとつの作品を描くのに、数週間、
場合によってはそれ以上かかるものもあり、
一冊の本を出すまでには、数年かかるということで驚いた。
細い線を描くのには、イタチの毛の筆が必要で、
1mmの間に7本の線を引くのだそうだ。
どのように細密画を描いていくかを、
スライドを交えながら、説明していく。
気の遠くなるような行程を経て、出来上がる魚や鳥の絵。
それらが揃った時に初めて一冊の本になるらしい。
今年の年末には琵琶湖の鳥たちの本が出版されるとのことで、
今から実に楽しみだ。
この本を見ながら、今年の冬は琵琶湖の鳥たちを撮ってみたいと思う。
最後に観客に対して
「質問、ココで聞いてみたいことはありますか?」
と司会の方が言われたので、
たつやは真っ先に手を上げて質問しました。
写真家の光彦さんにとって、撮った写真が
「わ〜、これって絵みたい」という感想を言われると
どう思われますか?
また、細密画家の洋輔さんにとって、描いた絵が
「わ〜、これって写真みたい」という感想を言われると、
どう思われますか?
あの〜、決して兄弟対決をして欲しい訳ではありませんので^^;
光彦さんの答えは、写真の中に物語があるような時には、
絵みたいという表現はうれしいのだそうです。
逆に正確に伝えたい写真の場合は、そうではないとのことでした。
洋輔さんの答えは、絵の中に、写真を超えた世界を
作ることができたと考えて、うれしい表現なんだそうです。
お互いに自然や命をテーマに写真を撮ったり、
細密画を描いたりする才能を開花させたのは、
この自然いっぱいの琵琶湖の環境なのだと思いました。
今森光彦(イマモリ・ミツヒコ)
1954年滋賀県大津市生まれ。
世界各国を訪ね、熱帯雨林から砂漠まで自然を広く取材。
また、国内では琵琶湖を望むアトリエを拠点に、
自然と人との関わりを「里山」という空間概念で追う。
第20回木村伊兵衛写真賞、第48回毎日出版文化賞、
第42回産経児童出版文化賞・大賞などを受賞。
近著に『神さまの森、伊勢』(小学館)、
ほかに『今森光彦 昆虫記』『世界昆虫記』(共に福音館書店)、
『里山物語』(新潮社)、『湖辺(みずべ)』(世界文化社)、
『わたしの庭』(クレヨンハウス)、
『おじいちゃんは水のにおいがした』(偕成社)など。
今森洋輔(イマモリ・ヨウスケ)
1962年生まれ。
在東京で1987年より書籍・雑誌の表紙画、挿画を手がける一方、
独自の手法を用いた細密画の創作に着手。
1995年以来高島市マキノにアトリエを構え、
ネイチャー・イラストレーションに専念する。
博物画の西洋的伝統と日本的な画法を融合させた
新しい細密画の世界を切り開き、評価を得る。
第49回産経児童出版文化賞受賞。『琵琶湖の魚』(偕成社)、
『イラストとエッセイでつづる 森のアトリエから』(恒星出版)など。
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