仙巌園から再びバスに乗って、市内に戻ることにした。
4時をまわっていたが、太陽はまだ傾きかけたばかりだ。
バスは海岸線を通り市内に行くコースで、
途中、
桜島フェリー乗り場のバス停を経由する。
このまま市内に戻るより、
ちょっと潮風に吹かれてみるのも悪くないと思っていた。
バス停で降りるか降りないか迷っている時に、
停車ボタンを誰かが押したらしく、
ピンポーンと鳴った。
と同時に、フェリーに乗ることに決めた。
バスを降りて振り返ると、一緒に降りた人は、
一眼レフデジカメを持った女性ひとりだった。
あっ、この人が停車ボタンを押した人なんだなぁと思った。



フェリー料金は、なんと
大人150円。
えっ!?路面電車が一律
160円だから、それより船の方が安い。
往復300円でたっぷり船の旅が楽しめるのだ。
桟橋を渡り、船に乗り込んだ。
こんなに大きなフェリーに乗るのは、本当に久しぶりだ。
船底にはたくさんの乗用車やトラックが乗っている。
桜島へは、陸続きで行くことはできるのだが、
この方が時間的にも経済的にもずっと得なのだろう。
それに、船に乗る人は観光客よりも、
生活の足代わりに、通学や通勤に使う人が断然多い。

客室もあるが、断然デッキの方が気持ちがいい。
当然、一番上の船先が一番見晴らしが良く、特別席だ。
そこへ行こうとしたら、先客がいた。
さっきの一眼レフデジカメの女性だった。
ちょっとためらったが、
「
ここ、よろしいですか?」
と言って、3つある椅子のひとつにカメラバックを置いた。
鹿児島港を出て、桜島へ向かう景色は、
海と空、山と船しか見えない。

その女性は東京から来ていて、
ひとりで市内観光をして、帰る前に船に乗りたくなって、
あのバス停で降りたのだと言った。
実はたつやも同じで、誰かが停車ボタンを押したから、
バスを降りて、この船に乗った・・・それが貴女だったと答えた。
デジカメの話や旅の話をしながら、
カメラ片手に、景色の写真を撮った。
知的で素敵な女性だったこともあってか、
ブログの話もしてみた。
興味を示してくれたので、名刺を渡した。
今になって考えてみれば、
お愛想でそう答えてくれたのかもしれないが、
その時のたつやは舞い上がっていたかも・・・。別れ際に、彼女も名刺をくれた。
仕事場は議員会館・・・某国会議員の秘書をされている方だった。
道理で、
知的でどことなく品がある素敵な方なんだ・・・とひとり納得していた。

旅先での出会いは、そこに出かけなければ
絶対に会えない人だから、少し特別な気がする。
非日常的な中での出会いだからか・・・旅先で出合った食べ物が美味しければ、当たりである。
旅先で出合った景色が美しければ、それも当たりである。
そして出会った人が素敵な人であれば、大当たりだと思う。その点でいけば、今回の鹿児島の旅は、
最初っから
大当たり連続の予感がしてきた。
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