『萬福そば天国ふくい』がカタチになったのは、2003年暮れだった。
福井県内の100軒のそばやさんを詳細に取材し、
企画から写真、コピー、デザイン、印刷・製本まで
すべて自社で製作し福井新聞社より発刊した。
この本の発刊から4年が経ち、その間に
県内にも新しくそば店を開業する人が結構いる。
また反対に残念ながら閉店したところもある。

この数年間で開業したそば店は、かなりのハイレベルだと
たつやは感じている。
その中でも、そば友の間で評判の店
三国にある小六庵に行ってきた。


三国の海を見渡せる高台の閑静な住宅街にある小六庵は、
実に洗練された空間と、
まったく違和感を与えない斬新なインテリアで迎えてくれた。
板の間には囲炉裏が切ってあり、
その窓からは、日本海を見ることが出来る。
たつやはこの日ちょっと寒い日だったこともあって、
左手奥の座敷に座った。

古布を使って作られたお鏡。
古い箪笥の上に真っ赤な布を敷いて、その上に飾られた
大胆でいて繊細な色使いの重ねられたお鏡。
思わずハッと息を飲むほどの色あい。


こういう花の生け方があるんですね。
真っ赤な椿が、飾られているのですが、
自然に落ちた花さえ、計算された美しさだと思うのです。

また、そばが凄かった!
運ばれてきたそばは丸岡産の早狩りそば
別名みどりそばで、十割そば。
目の前に置かれただけで、そばの香りが届くのだ。
いい蕎麦の甘味にぴったり合わせられた程よい腰と太さ。
麺だけでなく、ダシの旨味も実に深い。
おろし・ザル・鴨汁の三種を食べたが、
まったく違う仕上がりになっている。



器はすべて店主の作。
そば湯をいただいたこの器は登り窯で焼いてある。

鴨汁の鴨の火の通し方、絶妙なネギの焦がし方、つみれの柔らかさ、
歯ごたえをしっかり残したキノコ・・・
それらすべてのバランスが凄い!
全部別々に火を通しているはずだ。
置いてあるインテリアのセンス。
それらを配置して組み合わせるセンス。
同じように味のセンスと組み合わせのセンス。
「いただいたきんつばが美味しかったので、
自分でも作ってみました」と出されたきんつば。
見た目の美しさだけでなく小豆の甘味や茹で加減、
つぶし具合が絶妙なんです。

聞くところによれば、
ご主人はアパレル界では超有名人。
センスのある方は、ありとあらゆる分野で
その才能を発揮されるのだと思った。
小六庵・・・間違いなく福井が誇る名店だと思う。
小六庵
福井県坂井市三国町米ケ脇1-1-32
0776-82-5056
休み 月〜木曜 (祝日の場合は営業)
時間 11:30〜14:00、18:00〜(夜は要予約)
(そばはなくなり次第終了)
1903年に鯖江で小さな印刷業を始めた藤田印刷所が
100年に渡って、仕事を続けられてきたのは、
すべてがお客様のおかげで、地元福井に何か印刷物を通して
お返しができることなないか?
それが『萬福そば天国ふくい』のスタートでした。

福井のそばには、限りない可能性があるのに、
そば処として全国に名が通っているのは、
長野・山形・出雲・出石がどうしても先になっている。
何とか福井のそばを全国区にしたい。
県外からたくさんのお客さんが福井のそばを食べにくる、
「うどんは香川、そばは越前」ということになりたい。
そんな思いと、印刷を重ね合わせてカタチにしたのが、
『萬福そば天国ふくい』だったのです。
もちろん、微力なのは百も承知なのですが、
一助となれば、こんなに幸せなことはありません。
創業1903年
合資会社 藤田印刷所
福井県鯖江市有定町1-1-29
0778-51-2805
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