武生の旧市内は、
昭和の町並みがいろんなところに残っていて、
歩くと楽しい街だ。
たつやは通っていた高校が武生市内にあったため、
友だちの家や近所の食堂とかに行った思い出も合わせて、
今でも街歩きをしていても心がウキウキしてくる。
日曜日の午後は、市内も割りと静かなたたずまいだが、
その一角だけは子どもたちの歓声が上がっていた。
上総社さんのお祭りだ。
そういえばここに近づくにつれて祭の幟が増えてきた。
六時から子ども相撲が始まるという立て看板を見つけたが、
それまでにはまだ一時間以上ある。
この辺りを歩いてみようと裏通りを行き、
角をふたつ曲がると目の前に銭湯があった。
ちょうど、銭湯から出てきたこどもがふたり、
いかにも風呂上りといった感じで、気持ちよさそうに帰っていく。
折角だから、時間もあるし、お風呂に入っていこう。
番台にはおばちゃんが座っていて、そこで料金370円を払う。
天井にはお決まりのでっかい扇風機が。
「貴重品は番台へ」財布を預かってもらう。
昭和33年開業のこの銭湯は、当時としては最新の設備を
整えた立派なお風呂で、それは今でも十分通用する
気持ちのいいお風呂だ。
湯船は3つ。
薬湯と泡の出る湯船、そして少し深い湯船。
奥にはスチームサウナも完備されている。
明るいうちに入るお風呂はなぜか優越感がある。
ぽかぽかの身体で外に出ると、外の風が気持ちいい。
ちょうどこの銭湯のおやじさんが外で仕事をされていたので、
「あ〜、いい風呂でした。ありがとうございます」と声をかけると、いろんな話を聞かせてくれた。
燃料は?と尋ねるとオガクズとのこと。
「焚き場を見なさるか?」是非是非!
これがお風呂を焚く
オガクズボイラー。
(勝手にそうたつやが呼んだだけ)木工所で出る大量のオガクズをここへ運んでストックする。
ボイラーの上にある漏斗(じょうご)状のものに、
オガクズを入れ、時折手で掻き混ぜる。
そうすることで、穴から少しづつオガクズが炉に落ち、炎となる。
オガクズは杉のものより、松や硬い木の方がいいらしい。
例えば5度お湯の温度を上げるのに、杉なら1に対して、
松や堅木ならば、半分とか4割の量でいいとのことだった。
そういえば、たつやも薪ストーブを使っているが、
杉の薪は、よく燃えるが、すぐに燃え尽きてしまう。
その点、硬木だと、火持ちが全然違うのだ。
「銭湯は焚き場にひとり、番台にひとり、
絶対にふたりいないとやっていけない。
もう武生にもふたつしかない・・・。
ほやけど、ありがたいことに、市からも県からも、
少し補助金がもらえるんや。
銭湯がなくなってもたら、寂しいでのぅ」人懐っこい笑顔で親父さんはそう言った。
城勝湯福井県越前市若竹町10−18
電話:0778-22-2317
時間:15:00-22:30 月曜定休
料金:370円だんだん少なくなる昭和の風景をこれからも
ブログで紹介できれば、と思うようになりました。ランキングはついに
2位になりました。
本当にありがとうございます。
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posted by たつたつ・たつや at 19:43|
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旅先にて・福井県内編
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