2006年05月25日

平和鳥

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水飲み鳥という名前かどうかは知らないけど、
小学生だった頃、遠い親戚の家に行くと、
首を振る鳥のオモチャ?があった。
時折、深く首を下げて、コップの水を飲む
(というかくちばしを水の中に入れる)
そして、また首を振り続けるというシロモノだった。

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子どもながらにその不思議な鳥の動きが気になった。
愛嬌のある目とくちばし、滑稽な動き、派手な色
そのどれを取っても、心惹かれるものがあった。
その後、近所の散髪屋さんにもあったし、
いとこの家でも見ることが出来た。
しかし、いつしか流行も去り、僕の記憶からも消えていった。

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数年前、東京に出かけた時に、
ふらりと立ち寄った古道具屋のショーウインドウの中で
その水飲み鳥との再会をはたした。
店主にいくらかと尋ねると、
「5000円です。懐かしいでしょ!もうなかなか見ないんですよ」と答えた。
古いものが好きな人にとって、『もうなかなか見ない』という言葉は、
殺し文句に近く、購買心を煽るには申し分なかった。
「3000円にしてくれない?」
5分程、話をして結局3500円で彼(彼女かも?)を連れて帰ることになった。
ガラスで出来ているため、丁寧にエアパッキンで梱包してもらい、
ハコに入れ、大事に持って帰った。

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家に帰って、コップに水を入れ、彼に動いてもらうことにした。
愛嬌のある顔つき、派手な色は少し色褪せていたけど、
あの親戚の家にあったものと同じだ。
チャボンとくちばしを水につけ、手を放す。
こっくりこっくり動いていたが、コップの水を飲むことなく止まった。
何度か強制的に水を飲ますうちにくちばしに水を含んで、
コップの中にくちばしを入れるようになった。
なんでもおしりの膨らんだ部分にアルコールが入っていて云々という
説明を買った古道具屋の店主から聞いたが、よく分からない。
ま、僕にとってはそんなことはどうでも良かった。
ちゃんと首を振って、時折コップから水を飲む。
そうしてまた首を振るという単純な動きをしてくれればいいのだ。

買ってしばらくは面白くてよく動かしていたが、
そのうち飽きてしまい、今はただのディスプレイになってしまった。

また、そろそろ動かそうかと思っている。

後に友人からこのおもちゃは『平和鳥』という名前だと教えてもらった。
調べてみると、今でも通信販売で新品が手に入るらしい。

posted by たつたつ・たつや at 23:18| Comment(8) | TrackBack(0) | アンティーク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする